担当者
-
- Reported by
佐々木一真
「よし現場についた!局内にいるデスクに電話で状況を報告しよう。」
「リポートの内容はこれで良いかな?数字に間違いがないかホームページで確認しよう。」
「あれ、ここは港区でいいのかな?スマホのマップで確認しよう」
これは、ある日の私の取材の1コマです。
電話やLINEはもちろん
「動画や写真の撮影」「情報の検索」「マップの確認」など
便利な機能をたくさん備えたスマートフォン。
今や、現場取材に欠かせないものとなっています。
ただ、スマートフォンが登場したのはほんの10年ほど前の話。
携帯電話が一般に普及したのも25年ほど前のことです。
「こうした通信機器がまだ一般に普及していなかった頃は
どのようにして仕事をしていたんだろう?」
ということが気になった私。
当時のことを先輩アナウンサーに聞いてきました!
まずは、これまで担当してきた番組は
「スーパーモーニング」や「報道ステーション」など・・・
30年にわたって現場取材を行っている山口豊アナウンサーに聞きました。
スマホや携帯電話がまだなかった頃の取材の思い出を教えてください!
いやー、懐かしいですね。そして私も若かったですね!(笑)
当時、連絡のやり取りは、ポケベルと公衆電話でした!
スーパーモーニングで現場リポーターを担当していた時は、
外出中でも24時間ポケベルを持ち歩いていました。
事件事故などニュースが起きるとポケベルが鳴って番組のデスクから呼び出され、
急いで近くの公衆電話を探して、局に連絡をとっていました。
出張先の公衆電話から東京に通話する時は小銭がどんどん減っていくので、
財布にはいつもテレフォンカードを何枚も忍ばせていましたよ!
スーパーモーニングのリポーター時代の山口アナ
今やその姿をなかなか見かけなくなった公衆電話ですが
当時は欠かせないものだったんですね!
リポーターを担当していると
出張に行く機会も多かったと思いますが、
当時だからこその必需品はありましたか?
個人の携帯電話がない頃は、会社にショルダー型の大型携帯電話があり、
それを持って出張に行っていました。
箱型で、ストラップを付けて肩から掛けられるようになっていました。
今、改めて見ると、大きさに驚きますね!
それと、当時はロケ車に自動車電話が備え付けられていました。
現場で取材中、局と連絡を取る際はその都度、車に戻って自動車電話で話をしていました。
また、原稿や記事のやり取りは中継車に付いていたファックスで行っていました。
今では全てをスマホ一台で出来ますよね。便利な時代になりましたね!
当時のショルダー型大型携帯電話(提供:NTTドコモ)
車に電話がついていたんですね!!
電話がついている車、少しかっこいいです(笑)
さて、山口さんは1月23日放送の「サンデーステーション」で
長崎へ再生可能エネルギーに関する取材に行っていました。
久々の現場取材だったということですが、
「便利になったなぁ」と感じたものはありましたか?
私がリポーターを始めた30年ほど前と比べて、技術革新は大いに進んでいますね!
長崎には風力発電の取材に行ったのですが、ドローンが大活躍でした。
インパクトのある俯瞰映像が自由に撮れるドローンは、今やロケに欠かせなくなっていますね。また、昔は中継車がないと生中継ができませんでしたが、最近はリュックサイズの
簡易中継器で、電波が通じれば、どこからでも生中継が出来るようになりました。
さらに、スマホ一台あれば中継が出来る時代です!目覚ましい進化を遂げていますね!
確かに、テレビの中継といえば大きな中継車のイメージが強いですが
実は私は入社して1度も中継車を使った中継をしたことがありません。
全てリュックサックのような小さな機械を使った中継なのですが、
それでも、こんなに映像や音が鮮明に放送できるんだと驚きました。
実は、密かに中継車を使った中継に憧れる気持ちも……(笑)
山口さん、貴重なお話ありがとうございました!
続いては「ニュースステーション」や「やじうまテレビ!」などを歴任。
現在は「グッド!モーニング」のスポーツコーナーを担当している
角澤照治アナウンサーに聞いてきました!
昔と比べて「便利になったなぁ」と感じる瞬間はどんな時ですか?
コロナ禍で始まった『リモート読み合わせ』でしょうか。
感染対策のため、
スタッフとは別の部屋にいる私の携帯電話に
オンエアで使用する映像を送ってもらい、
手元の原稿をもとに読み合わせをします。
今の技術なら普通のことだと分かってはいますが、
昔の自分が見たらビックリするでしょうね。
リモート読み合わせの様子
以前はどのようにして読み合わせをしていたんですか?
現在との違いは、『映像の編集が追い込んだ時』が一番わかりやすいかもしれません。
そんな時、昔は生放送前にスタジオのある本社から歩いて5分ほどの編集所まで
大急ぎで行って読み合わせが終わり次第、本社までダッシュ!
ギリギリにスタジオ入り、息切れしながらオンエアに臨んだこともありました。
今は映像が手元に来てくれる!本当にありがたいですね。
それにしても、写真の自分のあまりの若さに笑ってしまいました。
ニュースステーション担当 当時の角澤アナ
なんと生放送前にスタジオまでダッシュ!!
私もいつも何気なく行っているリモート読み合わせですが、
これからはありがたさを噛みしめながら行いたいと思います。
角澤さん、ありがとうございました!
5GやAI、メタバースなど進歩を続けるテクノロジー。
10年後、20年後のテレビ番組制作の現場はどうなっているんでしょうか?