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2011年5月5日

両親失った子どもたちとどう向き合う

両親失った子どもたちとどう向き合う

東日本大震災で両親が亡くなったり、行方不明となっている高校生までの子どもは、把握できているだけで132人。その数は、今も増え続けているという。震災から2カ月近くになるが、いまだ正確な実態がつかめていないのが現状だ。震災直後、150人が身を寄せていた岩手県陸前高田市の避難所。今は15人に減った。そのなかに、及川佳紀くん(9)と弟の晴翔くん(7)の姿がある。兄弟の家は、陸前高田市の海岸沿いから2kmほど離れたところにあった。3月11日、仕事の非番で、たまたま自宅にいた両親は、津波にのまれ、行方がわからなくなった。現在、母方の祖母・村上五百子さん(67)と3人で避難生活を送っている。村上さんは、「2人はいつも元気にはしゃいでいる。時間も経ったから、両親が帰ってこないというのがわかっているのかもしれない。でもまだ(両親のことは)話せない」という。

先月下旬、兄弟が通う高田小学校では授業が再開し、校内には子どもたちの元気な声が戻ってきた。しかし、親や親戚を亡くした児童も多く、教師がどう向き合っていくのかが今後の大きな課題だ。高田小学校の木下邦男校長は「不安だらけ。一人ひとり状況が違う。子どもたちは元気にしているが、自分で抱えきれないものをいっぱい抱えている。どうやって一緒に共有しながら前に進んでいくのかというのは、本当に難しい」と話す。時間とともに深くなるといわれる“震災の記憶”。兄の佳紀くんには、最近ある変化が起きていた。1カ月前の取材では、「お父さんとお母さんに会いたい」と話していたが、いま、佳紀くんが両親の話をすることはほとんどなくなったという。さらに、急に静かになったり、すごくテンションが高くなるなど、周囲も心配している。

避難所の巡回を続ける精神科医の宮城秀晃医師は、目には見えにくい子どもたちのPTSD=心的外傷後ストレス障害を懸念している。「辛いことや悲しいことがあると『躁的防衛』でハイになって自分を保つことで『うつ』を防衛しようとする。子どもたちも、その状態のなかで心を保っている部分があるかもしれない」と話す。宮城医師は、授業が本格的に再開する連休明けが危険だとしている。友達の転校や知り合いが死んでいたことを知るなど、新たな体験が重なることで、震災当時の記憶がフラッシュバックする可能性があるという。宮城医師は「我慢することがPTSDにつながっていく。

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