555 | 556 | 557 | 558 | 559 | 560 | 561 | 562 | 563 | 564 |

2011年5月18日

毎年数人がポリオに・・・日本のワクチン行政の現実

毎年数人がポリオに・・・日本のワクチン行政の現実

口から入ったポリオウイルスが運動神経を冒すことで発症する『ポリオ』。手足の麻痺が主だった症状であるため、かつては小児マヒとも呼ばれ、1950年代後半から大流行した。1960年には、全国で5606人もの患者を出し、319人が死亡した。この流行を止めたのが、1961年に緊急輸入された日本では未承認の“生ワクチン”だった。毒性の弱い生きたウイルスを使ったこの生ワクチンによってポリオ発生は激減した。しかし、この生ワクチンでは、100万人あたり2〜4人がポリオになるとされている(WHO資料)。

4歳の鈴木蒼凰(あお)くんは、生後半年のとき、定期接種で飲んだポリオ生ワクチンでポリオになった。母親の由香さん(30)が付けていた育児日記。『AM10時1分。蒼凰誕生。もっとサルっぽい顔をしているかと思っていたけれど、すごく可愛い顔をしている』と、2007年5月17日から日記は始まる。我が子の成長を綴る日々。しかし、その平穏な親子の暮らしは続かない。生後182日目。11月16日、蒼凰くんは、ポリオ生ワクチンを接種。その21日後の日記には、『様子がおかしい。上を向いて寝ているだけで、寝返りしない』と綴られている。由香さんは、その日、何気なく蒼凰くんの足の裏を触ったら、指を曲げないことに気がついた。足が動かなくなっていた。その夜、緊急入院した。入院2日目、由香さんは医師から「お子さんは、ポリオの生ワクチンでポリオになってしまったのかもしれない」と告げられた。

蒼凰くんが生まれた2007年度に4人、2008年度にも6人が、生ワクチン接種後にポリオを発症したと報告されている(2008年度予防接種副反応報告書)。ポリオには治療法がないが、発病から1年ほどはマヒが回復、軽減することがある。由香さんもその可能性にすがった。しかし、その願いは届かなかった。蒼凰くんの両足には重いマヒが残った。由香さんは「あの子の運命ではなく、ワクチンで変えられたことだから、被害、人災だ」と訴える。蒼凰くんの足の自由を奪った生ワクチンではなく、ポリオウイルスを殺して作るワクチン“不活化ワクチン”が以前からあるためだ。生ワクチンによるポリオ発生を重大視する先進諸国では、すでにこの不活化ワクチンが広く使われ、生から不活化へ切り替え中の国も多い。先進国の中で、生ワクチンの使用を続けるのは、日本だけだ。

  • 1
  • 2
555 | 556 | 557 | 558 | 559 | 560 | 561 | 562 | 563 | 564 |