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黄金の大地をゆく 秋の韓国周遊1300キロの旅 撮影日記

漢江を走る列車
旅の始まりはソウルから
10月初旬。羽田空港から約2時間のフライトでソウルに到着。荷物受け取りレーンへ向かうと、コンベアにはすでに荷物が流されていて、私たちの機材はもう遠くへ行きそうだった。韓国人はせっかちだとよく聞くが、早速それを実感。待ち時間ゼロで荷物を受け取ったことに、海外経験豊富な平林カメラマンも「こんなの初めてだ」と驚いていた。その後、現地コーディネーター・キムゴノさんと合流し空港を出ると、少し肌寒い空気が頬をかすめた。日本はまだ半袖の気候だったため、お隣の国と言えどやはり外国であることを早々実感したのだった。
初日に向かったのは、朝鮮王朝時代に創建された景福宮(キョンボックン)。宮内は伝統衣装・韓服(ハンボク)を着た若者たちであふれかえっていて、まるで色とりどりの花が咲き乱れているようだった。エリア内には韓服レンタル店がたくさんあり、そこで着替えて散策するのがお決まりなのだとか。早速、ここでの目的であった守門将の交代式を観賞。厳かな衣装に身を包んだ数十人の男性たちが、伝統音楽に合わせて規律正しく歩き、当時を再現した交代の儀式を行う。残念ながら放送には入れられなかったが、500年ほど続いた王朝の重厚さを感じた。
翌日は早朝からソウルの地下鉄を撮影するため漢江(ハンガン)へ。漢江はソウルの真ん中を東西へ流れる川で、周囲には高層ビルが並ぶ。この川を渡るときだけ、地下鉄は顔を出し、走っている風景が撮れるというわけだ。ひと通り撮影したあと、朝ごはんは何にしよう?と考えていたところ、川沿いで美味しそうにインスタントラーメンを食べる人の姿を発見!「漢江ラーメン」というらしい。コンビニで袋麺と生卵を購入、容器に麺を入れ、IHヒーターに置くとお湯が注がれ煮立ってくる。残り1分で卵を入れてほぐす。日本にもこのシステムがあればいいのに…。普通のインスタント麺なのに、漢江を見ながら食べるのはなんだか特別で、忘れられない味になった。
ディレクター 長谷川眞子
守門将の交代式
漢江ラーメン