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インド編 撮影日記

コモリン岬
神々の大地
長い列車の旅を終えて、南インド最南端の地、コモリン岬に到着。夜が明ける前、多くの巡礼者たちが太陽の上がる方に向かって祈りを捧げている。別に今日という日が特別なわけではない。この場所には毎日のようにインド中からヒンドゥー教徒がやってくる。この地もまたインドの聖地の一つなのだ。
インドの人たちというのはとても信心深い。売店などでは神様たちのポスターがよく売られている。一番人気なのはやっぱり、最高神の一人、シヴァなのだそうだ。コモリン岬の浜辺にもシヴァ神の本尊である、シヴァリンガがあった。一説には、インドには3億3000万もの神さまが存在するという。目には見えないけれど、インドの人たちの心には、いつもたくさんの神様がいる、ということなのだろう。
インドでは、なんでもありな気がする、ということを以前撮影日記に書いたけど、それはこの国のフトコロが途方もなく大きいからだと思う。そのフトコロって、何のフトコロなのか、と考えてみると、つまり神さまのフトコロってことなんだろう。何をやっても、所詮は神の手のひらの上…みたいな。そう考えると、ちょっと羨ましい気がした。
ところで、マドゥライの近辺で列車の走りを撮影しているときに、ふと足元を見ると、クローバーが群生していた。驚いたのは、全てのクローバーが「4つ葉」だったこと。こんなところにも神さまが宿っているのかなあ、などと思ってしまった。関係ないと思うけど。
さて、インドの長い旅もこれで終わり。この国の魅力が少しでも伝わったならばとても幸いです。見てくれた方々、どうも有難うございました!
ディレクター  宮部 洋二郎
岬に集まる巡礼者達
群生する4つ葉のクローバー