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インド編 撮影日記

米の袋詰めの風景
インドは面白い
インドは面白い。列車の走りを撮影しようと沿線でカメラを構えて待っていると、だいたい何かしら面白いことが起こる。そのうちのいくつかはそのまま「沿線の風景」ということで番組になったりする。例えば、Vol.9005のクリケットの回やVol.9020の豊作の回などはもともと撮る予定はなかったものだ。列車を待っていたら、たまたまカメラの脇でクリケットや、お米の袋詰めの作業をやっていたのである。ロケハンの無い車窓のロケとしては、こうした偶然の出会いは何より嬉しい。
他にも、番組にはならなかったけど、チェンナイの近くにある踏み切り付近で列車を待っていたら、水牛がやってきてそのまま踏み切りの中に取り残されてしまったことがあった。そのときはちょうど列車もやってきて、あわや大事故になるところだったのに、誰一人気にも留めていなかった。なんというか、みんなのんびりしている。どう考えても危ないと思うのだけど、これがインドということなのかもしれない。
カーヴェーリ川を渡る列車を撮ろうとしたときの出来事も印象深い。川べりから列車を狙っていたのだけど、今にも列車が来る、という時になって、カメラの前に1人の男性が突如フレームインしてきたのである。そしてカメラに向かって仁王立ちしたまま、おもむろに頭にリンゴを乗っけて祈り始めたのだ。全く意味が分からない。一瞬、僕もカメラマンの辻さんもポカンとしてしまう。が、そのままだと列車が撮れないので、とにかくどいてもらった。
インドというだけで、何が起こってもおかしくない気がしてしまう。とても魅力的な国だ。
ディレクター  宮部 洋二郎
カーヴェーリ川を渡る洗濯婦
沿線で見かけた手漕ぎ自転車