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「BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)」や「鳥インフルエンザ」の発生にともない、にわかにクローズアップされてきた「食」の安全性に関する問題。果たしてその対策は?
米国のBSE(牛海綿状脳症)問題で、厚生労働省は13日、牛を原材料に使った医薬品や化粧品を植物材料など、他の原材料に切り替えるよう指導していくことを決めました。
また、牛を使った材料の除去が困難な製品については、製品の危険度に応じ、オーストラリアなど非発生国の牛を使うように求める方針です。が、現在流通している医薬品については「ただちに保健衛生上のリスクがあるとは考えられない」(医薬食品局)とし、回収などの措置は取らないそうです。そんな中、サケの鼻軟骨から医薬品などの有効成分「プロテオグリカン」を抽出することに「角広(かくひろ)」(本社・青森市)の釧路営業所付属研究室が成功しました。プロテオグリカンはタンパク質と糖の複合物質で、ほ乳動物や魚類の軟骨に含まれており、関節炎治療の医薬品、床ずれ防止の医療材料、人工皮膚や人工軟骨のほか、高い保湿性を利用した化粧品や健康補助食品など、幅広い活用が期待されています。これまでは牛やクジラの軟骨から精製してきましたが、極微量しか抽出できず、化学合成もできないため純度の高いものは1グラム3000万円以上と高価でした。同社は、サケの頭部を原料に、砕いた鼻軟骨から酢酸を使って溶かし出した成分を遠心分離器などで精製し、純度の高いプロテオグリカンを抽出することに成功。1グラムの抽出に必要なサケは50匹だそう。同研究室の工藤義昭主任研究員によると、「大手化粧品メーカーなどから問い合わせがあり、4月以降にサンプルを出荷する計画。1グラム3万円が目標。価格が下がれば医薬品向けなどの研究も進む」と話しています。
今回、鳥インフルエンザが見つかった大分県九重町の周辺30キロの範囲は、湯布院・黒川など日本有数の温泉を抱える観光地域です。なかでも、九重町にある筋湯温泉では、早くも関係者に不安が広がっています。一方、山口県で鶏から見つかった鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)は、病原性は弱いもののマウスにも感染し、同じほ乳類である人間に対して感染力を持つ可能性があることが、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の実験でわかりました。H5N1型は1997年に香港で初めて人間への感染が確認されました。この時は、18人が感染し6人が死亡しています。こうした事態に備え、国立感染症研究所は16日、ベトナムの感染者から分離したウイルスをもとに、ワクチン開発に着手することを決めました。同研究所は、遺伝子組み換え技術でウイルスを弱毒化し、ワクチン候補ウイルス株を作る方法をとるそうです。そんな中、農水省と鶏卵の業界団体である日本卵業協会は、鶏卵の殻に識別コード番号を刻印し、生産や流通履歴を消費者が簡単に知ることができる「トレーサビリティー(追跡可能性)システム」を開発し、生活協同組合ちばコープと千葉県内で試験運用しました。このシステムは、海藻からできたインクで賞味期限と11けたの検索コード番号を殻に印字するというもの。同協会のホームページ「たまごの生いたち」上でコード番号を入力すると、採卵日や生産農場名、販売会社名などが瞬時に分かるようになっているそう。このシステムの実用化によって、偽装表示の防止、不良品の回収、在庫管理などに活用でき、農水省は「消費者と生産者の両方にメリットがある」(消費・安全局)と、期待を寄せています。
コメに含まれる重金属のひとつ・カドミウムの国際基準濃度について、厚生労働省は昨年12月、0・4ppm(1キログラム当たり0・4ミリグラム)以下とする案を食品の国際規格を決める国際機関「コーデックス委員会」に提出することを決めました。欧州で基準設定を求める動きが強まったことを受け、同委員会は1998年に0・2ppm以下とする原案を示し、各国に意見を求めていました。専門家の間には「できるだけ低くすべき」との意見もありましたが、同省は「平均的な摂取量を評価した結果、この案でも国民の健康は保護されると判断した」としています。コーデックス委員会は各国の意見を検討し、早ければ6月にも国際基準を決定する見通しです。こうした流れを受けて、農水省は2003年産コメのカドミウム含有量の調査結果を公表しました。食品衛生法の安全基準(1・0ppm)を超えるものはありませんでしたが、福岡県大牟田市などのコメ計45サンプルから0・4ppm以上が検出されました。農水省は消費者感情に配慮し、0・4ppmを非食用に回す目安としており、これらのコメは買い上げて工業用のりなどに使うそうです。食の安全への関心の高まりを受け、今回は調査対象を例年の約3倍の2740サンプルに増やしていました。カドミウムは体内に蓄積すると腎障害を起こす恐れがあり、食品衛生法は1・0ppm以上のコメの販売を禁じています。今回の調査で0・4ppm以上が検出されたのは宮城県迫町、山形県朝日村、長野県白馬村、新潟県豊栄市、滋賀県米原町、福岡県大牟田市などのコメだそうです。
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