まばゆい地中海に面した北アフリカのチュニジア。古代から様々な民族が往来し、多様な文化が花開いた国です。アラブの春のきっかけとなった民主化運動”ジャスミン革命”から約10年。首都チュニスを起点に、この国の歴史といまに触れる旅に出かけます。地中海文明の舞台カルタゴ、古代ローマの都市遺跡ドゥッガ、アラブ文化の美しき古都スース、円形闘技場を擁するエル・ジェム。さらに、伝統織物の工房やオリーブ農家、青と白の建物が美しい街、先住民ベルベル人の村も訪れます。列車の遅れや故障のアクシデントに遭遇するも、車窓からの眺めは格別。どこまでも続くオリーブ畑、緑萌える豊穣の大地、幻想的な夕暮れの空など、行く先々で鮮やかな風景が待っていました。いまだ変革の混迷を残すチュニジアですが、車内の穏やかな雰囲気とあふれる人々の笑顔に未来への希望を感じます。