世界の車窓から

これまでに放送したものを再編集した特別編。今月は、世界の登山鉄道を特集します。アメリカのコロラド州、標高4302mの山頂へ登るパイクス・ピーク・コグ鉄道。歯車式の鉄道としては世界一の高さです。森林限界をこえて岩石に覆われた世界へと進み、雄大なロッキー山脈を堪能します。ドイツ南部の名峰を登るヴェンデルシュタイン鉄道。牧草地の広がる麓を出発、列車は山の岸壁を縫うように登っていきます。標高1838mの山の上で、人々はアルプスを眺めながら、ビールを楽しみます。イギリスのマン島、1895年開業の登山鉄道で島の最高峰スネイフェル山を目指します。ヴィクトリア調の列車に揺られ、車窓に流れるのは緑の大自然と羊たち。山頂には4つの連合国が一望できる絶景が待っています。オーストリアのウィーン近郊、シュネーベルク山に登る登山列車の旅。1900年製の蒸気機関車が客車を後ろから押し上げて、標高1800mの山頂駅を目指します。ノスタルジックな旅の先には、雄大なアルプスの景色が広がります。スペイン北東部、険しいピレネー山脈を走るヌーリア登山鉄道。ラックレールを使って1000mの標高差を40分かけて登っていきます。ちょっとスリリングで雄大な風景が楽しめる人気の路線です。スイスのフィッツナウ・リギ鉄道はヨーロッパで最初に開通した登山鉄道。山頂からの素晴らしい眺めで知られるリギ山を登ります。澄み渡る青空のもと、車窓に広がるアルプスの大パノラマに出会います。インド北部にある世界遺産のカルカ・シムラ鉄道。麓の町と標高2000mの避暑地シムラを結ぶ、1903年開通の古い路線。100年以上前に作られた石橋やトンネルを越えて、山道を5時間かけて登っていきます。スリランカ中部に広がる紅茶の産地を走る山岳鉄道。美しい風景で知られ、観光客にも人気のこの路線。緑に輝く茶畑と遠くに連なる山々の姿、車窓は絶景の連続です。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ、有名なキリスト像の立つコルコヴァードの丘を登ります。緑豊かな一帯は、環境保護のシンボルになっている国立公園。丘の上からは、海と緑が調和した美しい街並みが見渡せます。世界各地の山からの素晴らしい眺めを満喫する登山鉄道の旅。“世界の車窓からベストセレクション”をどうぞお楽しみください。