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未来をつくる先端技術

  • 2024年6月24日(月)

    『乗って操る大型ロボット』

  • 東京都は、高度な技術や多彩なアイデアを活用し、持続可能な社会につなげる「SusHi Tech Tokyo(スシテックトーキョー)という取り組みを推進しています。今週は、その一環として5月に開かれたイベントで紹介された先端技術に迫ります。
    都内の企業「ツバメインダストリ」が開発したのは、高さ4.5m、重さ3.5tの大型ロボット「ARCHAX(アーカックス)」。周囲の映像が映し出されるコックピットに乗って、スティックやペダルで操縦するホビー用のロボットです。走行できるように重心を低くした“ビークルモード”に変形可能で、最高時速10kmで走ることができます。
    元々、義手の開発・研究を行っていた代表の吉田さんが「義手を巨大化すれば、働くロボットなどに活用できるのでは」と、ARCHAXの開発を進めました。将来的には、危険な工事現場や災害救助などで活用でき、1台のロボットで複数の作業が行えるタイプの開発を目指しています。

  • 2024年6月25日(火)

    『“超人”になれる新スポーツ』

  • 東京都が推進する「SusHi Tech Tokyo(スシテックトーキョー)」という取り組みの一環として開かれたイベントで、先端技術を活用した「超人スポーツ」が紹介されました。
    超人スポーツとは、体に装置を取り付けることで人間の限界を超えた運動能力を生み出す技術や、現実とCGを融合させる技術などを活用した新しいスポーツ。年齢や性別、障害の有無などに関わらず一緒に楽しむことができます。
    林家きく姫は、超人スポーツの一つ、「HADO(ハドー)」という競技を体験しました。HADOは、現実とCGを融合させるAR(拡張現実)という技術を使い、エナジーボールと呼ばれるCGの球をぶつけ合うスポーツです。身に着けるのは、特殊なリストバンドとゴーグル。ゴーグルを装着することで、エナジーボールやライフポイント、相手の攻撃を防ぐシールドなど、拡張現実の世界が見えるようになります。
    現在、39の国と地域に広がり540万人以上がプレーしているそうです。車いすのプレーヤーは、「球をよけるのが大変ですが、健常者と協力し合うのが楽しい」と話していました。

  • 2024年6月26日(水)

    『空気から作る飲み水』

  • 東京都が推進する「SusHi Tech Tokyo(スシテックトーキョー)」という取り組みの一環として開かれたイベントで、空気から飲み水を作るウォーターサーバーが紹介されました。
    品川区にある「アクアテック」という企業が、東日本大震災をきっかけに災害対策の一つとして開発したウォーターサーバー「AIRLITH(エアリス)」は、空気中の水分が結露し、水になる仕組みを機械の中で効率的に行う技術が用いられています。ウォーターサーバーの中に、空気清浄機に使われるフィルターを通して空気を取り込み、水を作ります。ろ過装置や紫外線を使った殺菌装置なども備わり、冷水や熱湯を出すことができます。気温と湿度の条件によりますが、1時間に約500mlの水が作られます。
    このウォーターサーバーは、今年2月から6月にかけ、能登半島地震の被災地にある公民館など6カ所に無償で設置されました。
    アクアテックでは、今年の夏、1日に150ℓの水を作ることができ、シャワーや洗濯にも利用できる大型タイプを発表する予定です。

  • 2024年6月27日(木)

    『家具の移動ロボット』

  • 東京都が推進する「SusHi Tech Tokyo(スシテックトーキョー)」という取り組みの一環として開かれたイベントで、AIを活用した家具の移動ロボットが紹介されました。
    千代田区にある企業「Preferred Robotics」が開発した「カチャカ」は、専用の棚を色々な場所へ自動で運ぶロボットです。AIを活用し家具の配置などを覚え、周囲を認識するセンサーなどを使って障害物をよけながら移動します。操作方法は、スマートフォン・無線のボタン・音声の3つ。棚の裏面には識別するためのバーコードがあるため、複数の棚を同じ空間で使うことができます。
    個人宅で使われているほか、人手不足の解消として工場、歯科医院、飲食店などでも使われています。カチャカを導入している歯科医院では、機材の運搬や治療を終えた後の器具の片づけなどに利用しているそうです。

  • 2024年6月28日(金)

    『宇宙エレベーター』

  • 東京都が推進する「SusHi Tech Tokyo(スシテックトーキョー)」という取り組みの一環として開かれたイベントで、地球と宇宙ステーションなどをつなぐ「宇宙エレベーター」(出展企画:SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム 実行委員会)が紹介されました。
    港区にある「大林組」は、2050年の運用開始を目指し、宇宙エレベーターの建設構想を発表しました。ロケットに比べ大量の人や物を運ぶことができ、宇宙空間の開発が加速すると期待されています。
    地球の海上に造る「アース・ポート」と呼ばれる場所と宇宙ステーションなどを、長さ約96,000kmのケーブルで結び、「クライマー」という乗り物で人や物を運ぶ構想です。ケーブルの材料として期待されているのが「カーボンナノチューブ」という、炭素原子でできた素材です。金属に比べてとても軽く、宇宙エレベーターのケーブルとして必要な強度は鋼鉄の20倍以上もあります。このケーブルを使って、100tのクライマーを時速200kmで運用する予定です。
    宇宙ステーションは、「モジュール」と呼ばれる同じ形、同じサイズの設備を組み合わせることで拡張し、居住空間や研究施設などを造る計画です。

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