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春の都立庭園
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2024年4月15日(月)
『浜離宮恩賜庭園』
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ゆりかもめ・汐留駅から徒歩7分の「浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)」を紹介します。ここは徳川将軍家の鷹狩場だった場所で、海を埋め立てて屋敷を構えたのが庭園の始まりです。見どころの一つが、約300年前、六代将軍・家宣(いえのぶ)の時代に植えられた「三百年の松」です。現在では都内最大級の黒松で、2年に一度、大掛かりな手入れを行っています。今年1月に手入れをしたばかりなので、枝ぶりなどがとてもいい状態になっていました。
春は、園内のいろいろな場所で山野草が咲き始めます。注目は「ムラサキサギゴケ」。紫色の小さな花で、名前に「コケ」とついていますが、コケではありません。
またここには、都内の庭園では珍しい、海水を引き入れている池、「潮入(しおいり)の池」があります。東京湾の潮の満ち引きに従って水門を開閉し、海水の出入りを調節しているので、時刻によって水位が変わります。
この池の上には、江戸時代、将軍の休憩場所でもあった「中島の御茶屋」があり、月ごとに替わる季節の和菓子と抹茶が楽しめます。浜離宮恩賜庭園
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/hama-rikyu/index.html
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2024年4月16日(火)
『旧古河庭園』
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JR京浜東北線・上中里駅から徒歩7分の「旧古河庭園」を紹介します。古河財閥三代目当主・虎之助の、本邸の庭園として造られました。洋風庭園と日本庭園の両方を楽しむことができる庭園です。洋風庭園は、春と秋に約100種類200株のバラが咲き誇ることで有名です。春バラの見頃は5月上旬から6月下旬。花を咲かせるために重要な剪定作業では、不要な枝を切ることで日当たりを良くし、咲いたバラ同士の接触を防いでいます。
今年の春バラの見どころは、去年、人気投票で1位だった「ブルー・ムーン」です。青系のバラで、花も大きく、香りも良いバラです。そして今年、約20年ぶりに旧古河庭園で見ることができるのが、「プリンセス・ドゥ・モナコ」。花びらの縁の色が異なる覆輪(ふくりん)のバラです。
洋風庭園から斜面を下った先にある日本庭園は、京都の庭師・小川治兵衛が造った庭です。自然の景色がいかされていて、見どころの一つが、園内で最も勾配の急な場所を使って造られた「大滝」です。これからの時期は、滝と一緒に新緑を楽しめます。旧古河庭園
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-furukawa/index.html
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2024年4月17日(水)
『旧芝離宮恩賜庭園』
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JR浜松町駅から徒歩1分の「旧芝離宮恩賜庭園(きゅうしばりきゅうおんしていえん)」を紹介します。江戸時代初期に、幕府の老中を務めた大久保忠朝(ただとも)が小田原から庭師を呼び、造られた庭園です。庭園の見どころのひとつが、4月下旬に見頃を迎えるフジ棚。そして、明治時代に設置された「雪見灯籠(ゆきみどうろう)」と一緒に見る池の景色です。この雪見灯籠のある場所は、撮影スポットとしても人気があります。
池の中央にある中島へは、中国・浙江省にある「西湖(せいこ)の堤」を模した石造りの堤から渡ることができます。中島にある石は、江戸時代に小田原から運ばれたものです。また、高さ約7mの「大山」の頂上からは、園内を一望することができます。
旧芝離宮恩賜庭園では、スマートフォンなどでARアプリを使って、江戸や明治、大正時代の庭園の景色を楽しむことができます。旧芝離宮恩賜庭園
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-shiba-rikyu/index.html
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2024年4月18日(木)
『小石川後楽園』
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都営地下鉄大江戸線・飯田橋駅から徒歩3分の「小石川後楽園」を紹介します。水戸徳川家初代藩主・頼房の庭造りを受け継ぎ、二代藩主の光圀が完成させた庭園です。春の見どころは、庭園の入り口にある「フタバアオイ」。徳川家の家紋・三つ葉葵のモチーフとなった植物です。葉が4〜5cmまで大きくなり、ベージュがかった赤色の花を咲かせます。
こちらの庭園の特徴の一つが、江戸から京都への旅が楽しめるような景色です。「大泉水」は琵琶湖、朱色の橋・「通天橋」は、京都の東福寺にある通天橋を模しています。通天橋の周りにはイロハモミジがあり、新緑の時期には美しい青モミジを見ることができます。さらに園内には、光圀が息子の妻に、農民の苦労などを教えるために造らせたという稲田もあります。毎年5月には、近隣の小学生が校外学習の一環として田植えを行っています。4月下旬になると、稲田のそばではカキツバタとフジが見頃を迎えます。小石川後楽園
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/koishikawakorakuen/index.html
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2024年4月19日(金)
『殿ヶ谷戸庭園』
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JR国分寺駅・南口から徒歩2分の「殿ヶ谷戸庭園(とのがやとていえん)」を紹介します。武蔵野台地の高低差を利用して造られた庭園です。高台にある大芝生を抜けると低地へと続く斜面に出ます。高低差約10mのこの斜面を下った先にあるのが、「竹の小径」です。都内の日本庭園には珍しいモウソウチクの竹林で、5〜6月は竹の青葉が茂り、美しい景色を楽しむことができます。
また、庭園の見どころの一つが150種類以上の山野草。特徴的な白い花が咲く「クマガイソウ」や黄色い花が咲く「ウマノアシガタ」などを見ることができます。そして、園内で一番低い場所にあるのが「次郎弁天池」。池を見下ろせる崖の上が絶景スポットです。新緑の時期には、鮮やかな緑が池を覆う、美しい景色が楽しめます。殿ヶ谷戸庭園
HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/tonogayato/index.html