第1001回『もてなし宿の食材物語 後編』
11月4日放送
「京都・伊根町 新鮮なもてなし宿料理」
「京都・伊根町 新鮮なもてなし宿料理」
食彩の王国 #1000回スペシャル後編!
番組の語りを担当している薬師丸ひろ子が、自らの取材で「もてなし宿の食材物語」をお送りします。
舞台は“海の京都”と呼ばれる丹後半島の伊根町。
古くからの漁師町で、船揚げ場と住居が一体となった“舟屋”が湾を取り囲むように230軒ほど並び、美しい景観と風情に溢れています。
その舟屋をリフォームして宿を営んでいるのが「舟屋の宿 鍵屋」の鍵賢吾さんと美奈さん夫婦。
宿の特長はなんといっても新鮮な魚介類を中心とした食事と心温まるもてなし。
賢吾さんはその日の朝、水揚げされたばかりの魚を自分の眼で確かめ、仕入れます。
この日の食材は丸々と太ったスズキ。一口大に切って、合わせるのは純米酒!漬け込んで九条ネギやエノキタケ、マイタケなどと共に蒸せば…酒蒸しに。
食べてみると魚がふっくらとして、香り立つ風味に驚きです。
「江戸時代からの酒蔵 日本酒のロゼ!古代米の味」
「江戸時代からの酒蔵 日本酒のロゼ!古代米の味」
宿が使う純米酒を製造しているのが、江戸時代創業の造り酒屋「向井酒造」。
迎えてくれたのは杜氏の向井久仁子さんです。
瓶詰めを見学させていただくと、そこにはなんとワインのロゼのように赤い日本酒が!
25年ほど前、向井さんが恩師と共に生み出した"伊根満開"。原料のひとつは紫色の古代米です。
さっそく試飲してみると…フルーティーで爽やかな酸味が感じられる味わいで思わず飲みすぎてしまいそう。
さらに熟成させた古代米酒の酒粕にハチミツやナッツなどを加えた肴も。
酒粕が好きな薬師丸ひろ子にはたまらない美味しさです。
その酒粕を向井さん宅では、シチューなどに入れて味に深みを出しています。
「地元を活気づけたい もてなし宿の広がり」
「地元を活気づけたい もてなし宿の広がり」
昭和30年代頃まで漁師町として賑わっていた伊根。
その後、高齢化が進み、漁師は減少。
船は大型化して舟屋に入らないものが増え、本来の姿は失われかけています。
“伊根に活気を取り戻したい”と鍵賢吾さんは、地元の若者に声をかけます。
そんな賢吾さんに刺激を受け、次第に舟屋の宿は増えていきました。
さらに、観光交流施設「舟屋日和」の立ち上げにも尽力。
施設内にはカフェや鮨割烹が評判。海外からも観光客が訪れています。
「地産地消の食を発信 今春オープンした“食ラボ”で、もてなし宿の新作料理を披露」
「地産地消の食を発信 今春オープンした“食ラボ”で、もてなし宿の新作料理を披露」
そんな鍵さん夫婦がさらに伊根を活気づけようと、親戚の漁師小屋を改装してオープンさせたのが「おふくわけ」です。
そこでは宿泊施設にカフェを併設。
こちらでは地産地消の食材で様々なジャンルの料理を試作する“食ラボ”を開催しています。
カフェでは古代米酒の酒かすを使ったパウンドケーキなどが味わえます。
この日はバーテンダーでもある鍵夫妻の一人息子・海斗さんが伊根満開を使ったオリジナルカクテルを作ってくれました。
さっぱりして、また飲みすぎてしまいそう。
さらに、イタリアンの匠が水揚げされたばかりのアオリイカと伊根産の卵を使って“イカルボナーラ”を創作。
賢吾さんは、旬のタチウオと古代米酒の酒かすを使って新作料理でもてなしてくれました。一体どんな味わい?
取材先
制作担当
【ディレクター】 植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)