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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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第777回『タケノコ』

4月27日放送

■姿は山城、味は太市!

■姿は山城、味は太市!

麗らかな春の陽気。待ちわびた食材が到来します。それがタケノコ!タケノコは古来、人々に愛されてきました。“初物を食べると75日寿命が延びる”。この時期、江戸っ子達はこぞって竹林に出かけてタケノコを掘っていたのです。そんなタケノコですが関西地方ではこんな言い伝えが残っています。それが“姿は山城、味は太市”という言葉。名産地で知られる京都の山城地区は姿が一番美しい。それに対して太市のタケノコは味が一番良いと言われて来ました。京都のタケノコと並べて評される太市のタケノコとは一体どんなものなのでしょうか?秘密を探りにやってきたのは、世界遺産の白鷺城のお膝元・兵庫県姫路市です。タケノコ農家の梅元さんが指差す方向を見ると何も見当たりません。しかし掘り進めてみると初物のタケノコが姿を現します!実はタケノコが地表に出て空気に触れることで皮が黒くなり味もえぐみが生じます。そのため太市では地中の中に埋まっているタケノコを探すのです。地中の中にいる時に掘り出したタケノコは皮が白く甘みが強いのが最大の特徴。生でそのまま刺身にすることもできます。

■名産地で味わう家庭料理

■名産地で味わう家庭料理

太市ではどのようにタケノコを味わってきたのでしょうか。まずは“砂糖食い”と呼ばれるタケノコに砂糖をたっぷり加えて煮込んでいきます。それを油に入れて、揚げ物にするのですから驚きです。おやつ感覚で食べられるタケノコ煮の天ぷらは子供達の大好物。豚肉を巻いて甘辛いタレで仕上げれば、甘辛い味付けが後引く美味しさの豚肉巻きに。そして極め付きの料理がこちら!タケノコをたっぷり入れた出汁で炊くご飯にタケノコをたっぷりと注ぎ込みます。「タケノコだけを入れることで、タケノコの旨味だけを味わえるんです」と地元の主婦も太鼓判の炊き込みご飯の完成です。春にしか味わえないタケノコは食べれば自然と笑みがこぼれます。

■名産地復活秘話

■名産地復活秘話

太市のタケノコの歴史は約200年前まで遡ります。江戸時代に農家の副業として奨励され、タケノコを掘る農夫の絵が寺に奉納されるほどの特産物でした。タケノコ農家の梅元さんはそんな太市で育ち、8年前に電気店の本業の傍らタケノコを育てるようになりました。それにはあるきっかけがありました。自治会長に就任して町を見て回った時、荒れ果てた竹林が急増していることに気づいたのです。生まれ育った町の名産地を救いたい…。そう決意した梅元さんは竹林を復活させるプロジェクトを発足します。荒れた竹を切り取っていき、土を入れて整備していきます。しかし、出てくるタケノコは皮の黒いものばかり…。タケノコが育つ赤土の状態にするまでに6年の月日をかけます。そして、復活の目処がついた矢先に、さらなる試練が訪れます。
それが鹿による食害です。親竹に育てようとするタケノコも食べてしまう鹿。梅元さんの畑にも大きな被害が出ました。窮地に立たされた梅元さんは、電気店ならではのアイデアで鹿からの被害を防ぎます。一体どんなアイデアで鹿からタケノコを守ったのでしょうか!?

■太市のタケノコ 大阪へ!

■太市のタケノコ 大阪へ!

度重なる逆境を跳ね除けてタケノコを収穫できた梅元さんには、考えていることがありました。それが太市のタケノコを大阪の市場の競りにかけること。関西一規模の大阪の市場の競りで評価されれば太市のタケノコはもっと普及するはず、と考えたのです。名だたる名産地に並んで競りにかけられる太市のタケノコ。さぁ、どんな評価が下るのでしょうか?

■ミシュラン5つ星の職人のタケノコ料理

■ミシュラン5つ星の職人のタケノコ料理

競りにかけられた太市のタケノコ、届けられたのは関西随一の温泉街、有馬温泉です。ミシュランで5つ星の評価を受けた欽山の料理長の高橋さんは、以前から太市のタケノコに注目していました。まずは甘辛いダシで下味を付けて、焼いて旨味を引き出したタケノコの焼き物。タケノコの持ち味を活かす和食の技が光ります。続いてタケノコに合わせるのは、海の幸・伊勢海老!伊勢海老の旨味がタケノコの素朴な味わいを際立たせていきます。太市のタケノコが檜舞台を飾ります!

■思いを繋ぐタケノコフレンチ

■思いを繋ぐタケノコフレンチ

太市に戻った梅元さん。向かったのは地元の中学校です。梅元さんは毎年大盛況を迎える太市たけのこ祭りの中心人物として活動しています。若い世代にも地元のタケノコの魅力を知ってもらいたいと考えた梅元さん。地元の中学校の家庭科部に出品を依頼します。料理の指南役には地元で活躍するフレンチシェフの段林近司さん。「洋風のタケノコ料理は食べたことがないと驚いて欲しい」と意気込む中学生達はどんなフレンチを作り上げるのでしょうか!?

取材先
制作担当

【ディレクター】島越 翔平(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)