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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第715回『寒ブリ』

1月27日放送

■富山湾の王者“寒ブリ”

■富山湾の王者“寒ブリ”

雪深い富山に今年も待望の魚が到来します。春の産卵に向けて旨味をたっぷりと蓄えた富山湾の王者、寒ブリです。毎年、豊漁に湧くこの時期ですが時には自然の猛威にさらされることもあります。今年は、10年に1度の大寒波で船を出せないと言うこともありました。そんな時には、明日への活力をつける料理が欠かせません。漁師達が食べるのは勿論、寒ブリです。丸々と太ったブリを豪快に分厚く切って刺身に。そして、刺身にならない部分は鍋に投入!富山湾名物のベニズワイガニを加えれば…、浜の漁師の名物“かぶす汁”です。“かぶす”とは、富山の方言で分け前のこと。富山湾の幸を、贅沢に分け合って、厳しい冬の漁を乗り越えて行くのです。

■余すところなく食べる“ブリ尽くし”

■余すところなく食べる“ブリ尽くし”

富山では400年も前から定置網漁が行われ、古くから愛されてきた寒ブリ。元旦には、ブリを奉納し、その年の無病息災を祈る“鰤分け神事”と言う行事が平安時代から行われてきました。それだけではありません。ブリの特別さを表す言葉が、ある温泉宿に伝わっていました。それが“ブリ尽くし”。「ブリを食べ尽くして祝う」と若女将の池森典子さんは話します。トロの部分である腹身は丁寧に切り取って、ブリしゃぶに!アラは数日間じっくりと煮てブリ大根にします。ブリ尽くしはここからが本番!何とエラも食べるのです!一体どんな料理になるのでしょうか?

■ワインとブリが織りなすイタリアンレストラン

■ワインとブリが織りなすイタリアンレストラン

氷見の小高い山の上に、ブリを新しい味わいで楽しめると評判のレストランがあります。もともと魚問屋が魚を新しい味わいで楽しんで欲しいと開いたイタリアン、SAYS FARMです。氷見の名物、寒ブリもワインと合わせてもっと多くの人にその魅力を広めたい…!そう考えた結果、自らぶどうの栽培を始め、醸造、熟成までのすべての工程を手がけてきました。そしてブリのために開発したのが、赤ワインと白ワインの中間の“ロゼワイン”。ブリの胃袋と皮の部分を使って作った“煮こごり風コッパ”の濃厚な旨みを一層引き立てます。

■家族を繋ぐ“嫁ぶり”

■家族を繋ぐ“嫁ぶり”

SAYS FARMの見習いシェフの山田友紀さん。一流シェフを目指して日々奮闘していますが、昨年結婚しました。氷見では、結婚に関連したブリのしきたりがあります。それが“嫁ぶり”。嫁ぎ先への初めての歳暮として、娘の母親がブリを贈ります。娘の“お嫁ぶり”が良くなること、出世魚のブリにあやかって、娘婿の出世を願うのです。友紀さんのお父さんも早速丸々一匹のブリを贈ります。贈ったブリは“半身返し”と言って、友紀さんの実家に贈り返されます。そのブリを使って友紀さんは育ててくれた感謝を込めて、新作料理に挑みます!一体どんな料理になるのでしょうか!?そして、旦那さんの実家では、頂いたブリでハレの日の伝統料理を作り、二人の門出を祝います。ブリが繋ぐ家族の絆の物語…、必見です!

取材先
制作担当

【ディレクター】鴨下 満(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】安田 裕史(テレビ朝日)