第211回『ハタハタ』
2月2日放送
■秋田名物ハタハタの食文化
■秋田名物ハタハタの食文化
魚偏に神と書いて鰰(ハタハタ)。寒さ厳しい秋田では、冬の日本海から大漁に揚がるハタハタを神様からの贈り物と呼び、保存食として大切にしてきました。その味は代々受け継がれており、今でも秋田の人はハタハタなしの冬は考えられないとまで言います。今回は知れざるハタハタの世界へお連れいたしましょう。
■ハタハタ漁はチームワーク!!
■ハタハタ漁はチームワーク!!
昭和40年代、最盛期2万トン以上獲れた秋田のハタハタは、平成3年には71トンにまで落ち込みました。それにより3年間の禁漁という苦節の時期もありました。そのため漁獲量が回復しつつある今、漁師たちはハタハタ漁に特別な想いを寄せるのです。産卵期を狙うハタハタ漁は約3週間が勝負。その間漁師たちは番屋と呼ばれる港の宿泊所で、仲間たちと共同生活を送ります。生活をともにする漁師たちのチームワークは抜群!!漁の時はもちろん一緒に食べる料理の味付けもチームワークが決め手です。漁の疲れを癒す絶品のハタハタ料理ではその力が遺憾なく発揮されます。
■ハタハタの子がブリの子・・・!?
■ハタハタの子がブリの子・・・!?
産卵期のメスのハタハタは、腹にはち切れんばかりの卵を抱えています。この卵は秋田では「ぶりこ」と呼ばれ最も重宝されています。その一粒一粒に海の香りと甘く濃厚なエキスが含まれています。実はぶりこは鰤(ブリ)からその名が付けられたとも言われています。ハタハタとブリ・・・!?似ても似つかないこの二匹。いったいどうしてハタハタの卵がぶりこと呼ばれるようになったのでしょう。その答えは関ヶ原の決戦にありました。
■究極のスローフード・しょっつる
■究極のスローフード・しょっつる
きりたんぽ鍋と並ぶ秋田の名物料理しょっつる鍋。この鍋の味付けに使われる魚醤「しょっつる」とはハタハタと天然塩だけで作られた調味料のことです。ハタハタを3年間じっくりと自然発酵させることで、香りも穏やかで柔らかな旨みが広がるしょっつるが完成します。このしょっつる、ハタハタの漁獲量の減少により消えかけた時期がありました。しかし7年前に手間隙を惜しまず、昔ながらの味に挑んだ醸造所がその危機を救ったのでした。
時間をかけて作られるしょっつるとは!!
■しょっつるがスペイン料理に進化!!
■しょっつるがスペイン料理に進化!!
そんなしょっつるも新たな世界を広げ始めようとしています。秋田でしょっつるがスペイン料理に使われていました。スペインと秋田の伝統はどんな料理に進化するのでしょう。
ハタハタに詰まったたくさんの魅力、是非ご覧ください。
取材先
制作担当
【ディレクター】岸 善幸(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道 那須 恭子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)