第198回『落花生』
10月20日放送
■アンデスから江戸へ・・・4000年の旅
■アンデスから江戸へ・・・4000年の旅
太古より南米アンデス地方で栽培されていた落花生。古代ペルー人は4000年も前から食べていたと言われます。世界へ拡がったのは大航海時代のあとですが、寒冷なヨーロッパでは根付かず、アフリカや中国などで貴重な食料となります。アフリカでは落花生でシチューを作り、中国では「長生果」と呼んで長生きするための薬膳料理などに使ってきました。日本へは江戸時代、中国から伝わったため“南京豆”と呼ばれました。
■花が落ちて実が生る・・・だから“落花生”
■花が落ちて実が生る・・・だから“落花生”
真夏に咲く黄色の花が落ちると、花を支えていた子房柄が地面に向かって伸び、地中へともぐります。この地面の中で子房の先端が大きくなったのが落花生。その名の由来です。江戸時代の書物「遠碧軒記」に既に落花生の記述があります。
■秋の千葉・・・落花生事始
■秋の千葉・・・落花生事始
秋晴れのもと、落花生収穫日本一の千葉県八街市にはボッチと呼ばれる落花生の束が積まれています。これは優しい光と涼しい風でゆっくりと乾燥させるために工夫された、この地ならではのやり方です。ボッチにすると落花生は甘みが増し、コクのある風味が出てきます。この八街の地で落花生の栽培が始まったのは明治9年のこと。米の出来ない火山灰土壌の土地に一粒の種を持ち込んだ一人の男の物語を紐解きます。
■落花生を愛するこだわりの職人
■落花生を愛するこだわりの職人
この千葉県産の落花生にこだわり、毎日煎りたての落花生を提供する明治20年創業の煎り豆屋さん。その店先には懐かしい煎り立ての香りが漂います。また、季節の素材にこだわる名店では、禅寺に通い精進料理の極意を学んだというご主人が殊玉の落花生料理を披露してくれました。なかでも絶品は「落花生豆腐」。その手間ヒマかけた料理人の技は必見です。
取材先
制作担当
【ディレクター】 吉井 みどり(ViViA)
【プロデューサー】 加納 満 (ViViA)
【プロデューサー】 高階 秀之(テレビ朝日)