第186回『岩牡蠣』
7月21日放送
■紺碧の海に眠る岩石!
■紺碧の海に眠る岩石!
夏にしか味わえない・・・≪夏牡蠣≫と呼ばれる「カキ」があります。ゴツゴツした貝の蓋をこじあけると、ぷっくりした大ぶりの身があらわれました。〝牡蠣の王者〟「岩牡蠣」です。マガキの2倍!一口では頬ばれないほど成熟した岩ガキは、今が食べ頃!艶やかな乳白の身から濃厚な汁がトロリとあふれます。ねっとりしたクリーミーな甘み。シコシコした歯応え。真夏の美しい海の底で出会った『天然岩ガキ』の物語です。
■フランス人も、びっくり!
■フランス人も、びっくり!
通常、普通の牡蠣は、秋から冬にかけて旬を迎えます。フランス人にとって、「牡蠣」は特別な食材。毎月お金を貯め、クリスマスには、どの家庭の食卓にも必ず牡蠣が並びます。フランスでは冬に食べるのが常識!それが、日本では真夏に食べられるとあって、みな驚くというのです。フランスで修業を重ねた若きシェフが、本国では食べられない珠玉の≪岩ガキフレンチ≫を見事に完成させました。そこには、岩ガキを想う特別な気持ちが込められていました。
■美しき、海女たち!
■美しき、海女たち!
夏限定で水揚げされる岩ガキは、漁獲量が限られます。5年もの、10年もの、20年もの…。水深5メートルから20メートルの岩礁に棲息し、一見、岩のよう。海に眠る岩石です。薄い殻が幾重にも重なった褐色の殻には、深い海の底で生きた岩ガキの時間が刻まれています。荒波にもまれ、岩礁にじっと身を横たえ、動くことなく一生を生きる岩ガキ。これを、命がけで獲るのが海女です。≪酸素がほしい…、胸が張り裂ける…≫。極限の海底で、彼女たちはぐっと息をとめ、岩ガキを探します。貴重な海の幸を私たちに届けてくれるかけがえのない人たちと出会いました。
■牡蠣がくれた・・・大切な恵み
■牡蠣がくれた・・・大切な恵み
アサリは砂に潜ります。ホタテは泳ぎます。でも、カキは動きません。敵がいても、じっと固く殻を閉ざすだけ!動かないこの生態が、岩ガキのズバ抜けた栄養素を誇る秘密!ひたすら海水をとりこみ、栄養素を濃縮し、溜め込みます。たとえば、新陳代謝を活発にし、美肌に効果があるという「亜鉛」は、他の二枚貝の10倍以上も保有。「海のミルク」「海のチーズ」と称えられる所以です。人類の暮らしに様々な恵みをもたらした牡蠣のチカラをみつめます。
■極上の岩ガキを求めて・・・
■極上の岩ガキを求めて・・・
岩ガキの味は…「海の味」。日本最古の「岩牡蠣漁」の記録をもとめ、秋田県象潟へ向かいました。ここは「奥の細道」の旅で松尾芭蕉が歩いた最北の地。象潟は、極上の岩ガキを育む豊かな自然にあふれていました〝その人の足あとふめば風薫る〟同じ道をたどった正岡子規も圧倒されたという極上の岩ガキ料理とは…?
取材先
制作担当
【ディレクター】 伊藤 浩子(ViViA)
【プロデューサー】 加納 満(ViViA)
【プロデューサー】 高階 秀之(テレビ朝日)