第88回 『キス』
7月2日放送
★渚の貴婦人「キス」
★渚の貴婦人「キス」
「魚へん」に「喜ぶ」と書いて「鱚(きす)」。キスは、スズキ目キス科の魚。一般的に「キス」と呼ぶのは、「シロギス」のことです。棲息しているのは、海岸線に近い水の澄んだ砂地。身は脂肪分がわずか1パーセント。キリリと引き締まった美しい姿から、渚の貴婦人とも呼ばれています。産卵を控え栄養を蓄えたキスは今が一番おいしい季節です。
★竹岡のキス
★竹岡のキス
千葉県富津市竹岡。この豊かな海で育ったシロギスは「竹岡のキス」として有名です。その姿は黄金色に輝いており、身はほかのキスより太く、味が極上だといわれています。
そんな新鮮な「竹岡のキス」を使った地元ならではの料理の数々をご紹介します。
★キスの天ぷら・名人の技
★キスの天ぷら・名人の技
江戸時代、庶民にまで広まった天ぷらは、今や日本を代表する料理のひとつ。なかでも、江戸前のキスは、この時期天ぷらに欠かせない食材です。江戸前のキスを揚げさせたら日本一とも言われる名人がいます。「天ぷら みかわ」のご主人 早乙女哲哉さん。彼は名人の極意を惜しげもなく、かつ極めて論理的に語る料理人です。その彼が語るキスの天ぷらの極意とは。
★江戸の粋な遊び・脚立釣り
★江戸の粋な遊び・脚立釣り
キスはシロギスばかりではありません。キスにはアオギスという種類もいます。アオギスは東京湾をはじめ全国各地の汽水域に生息していました。東京湾の干潟に脚立を立て、その上に腰を下ろしアオギスを釣る、「脚立釣り」と呼ばれる釣方は江戸の初夏の風物詩でした。しかし現在、干潟が激減した東京湾ではアオギスの姿は確認されておらず、平成7年には絶滅危惧種とされました。アオギスは本当に東京湾からいなくなってしまったのでしょうか。「もう一度、東京湾でアオギスを釣りたい」。番組では、かつては江戸の粋な遊びだったアオギスの脚立釣りに挑戦しました。はたして、アオギスは釣れるのでしょうか。
★幻のアオギスを求めて
★幻のアオギスを求めて
大分県の豊前海に注ぎ込む大小17の河川はその河口域に広大な干潟をつくっています。ここが今、東京湾をはじめ日本中から姿を消したアオギスが確認されている唯一の棲息域です。そして、この豊かな豊前海の恵みが集まるのが大分県中津市にある魚市場。はたして幻といわれているアオギスと出会うことはできるのでしょうか。
取材先
制作担当
【ディレクター】伊藤 彰(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高梨聞吉 高階秀之(テレビ朝日)