第83回 『アスパラガス』
5月28日放送
★旬を迎えたアスパラガス
★旬を迎えたアスパラガス
今日の主役は、いよいよ旬真っ盛り、緑鮮やかなアスパラガスです。畑のあちこちから若い芽がニョキッと顔を出し始める5月。一度芽を出せば後はグングン成長するアスパラガスは、一日に10㎝近くも伸びる事も。冬の間にぎっしりと栄養を蓄えたアスパラガスを、茹でてそのままかじりつけば春の訪れを存分に味わえます。
★グリーンとホワイト、2色のアスパラガス
★グリーンとホワイト、2色のアスパラガス
アスパラガスといえば緑、かと思いきや最近ではホワイトアスパラガスも目にします。日本ではあまり馴染みがありませんが、ドイツやフランス等、ヨーロッパの多くの国ではホワイトこそがアスパラガスであり、他のものに代えられない特別な野菜だというのです。
★「初物のアスパラガスに乾杯!」
★「初物のアスパラガスに乾杯!」
ヨーロッパの冬は長く、昔からその間の食事は冬に備えて備蓄された保存食がほとんど。その為、人々は春の到来を告げるホワイトアスパラガスを心待ちにし、待ち望んだ春をホワイトアスパラガスで祝うのです。そんなホワイトアスパラガスをドイツでは「野菜の女王」、フランスでは「貴婦人の指先」と呼び特別な思いを寄せています。でも、どうしてヨーロッパではグリーンではなくホワイトなのでしょうか?実はグリーンとホワイトは同じ品種、違うのはその栽培法だけです。どうやらここに秘密がありそうなのですが…。
★アスパラガスの歴史
★アスパラガスの歴史
もともと各地に自生していたアスパラガスの美味しさに気づき、盛んに栽培を試みたのは古代ローマ人。ローマ帝国の領土拡大に伴い、征服した先々の土地でその栽培を広めていったのです。当時、栽培されていたのはグリーンアスパラガス。ホワイトアスパラガスはというと…。実はホワイトアスパラガスはイタリアのある町で偶然見つかったのだそうです。イタリアに伝わるホワイトアスパラガス発祥にまつわる伝説、そしてその栽培がヨーロッパ中に広まる理由とは?
★日本におけるアスパラガスの歴史
★日本におけるアスパラガスの歴史
日本で本格的なアスパラガスの栽培が始まったのは大正末期。しかし当初それは缶詰にする為のホワイトアスパラガスで、全て輸出用の換金作物でした。戦後になって、ようやく缶詰が庶民の手の届くものになりサラダに添えて食べるようになりました。そして1970年代、生のグリーンアスパラガスが緑黄色野菜ブームに乗って出回るようになり、瞬く間に和の食材として馴染んでいきました。
新しい試み
新しい試み
現在、プロの料理人の中で新しい動きが起こっています。ホワイトアスパラガスを使った和食です。これまで余り馴染みのなかったホワイトアスパラガスが、私達の食卓に上る日もそんなに遠くないのかもしれません。そんな未来を夢見て栽培の現場でも新しい試みが行われています。長野県坂城町、新幹線建設の時に作業用に使われたトンネルの奥深くで行われているのは…。ホワイトアスパラガスの栽培です。ここにどんな秘密が隠されているのでしょうか?
取材先
制作担当
【ディレクター】河野あや子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋正道 吉岡陽代(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高梨聞吉 高階秀之(テレビ朝日)