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2025年3月8日弥生の弐

広島・尾道市
~夢叶う春! 第二の故郷スペシャル~

今回は広島と長崎が舞台の1時間スペシャル。移住した“第二の故郷”で新たな夢を叶えた2組のご夫婦を紹介します。
広島県尾道市編は、千葉県から移住しビールの醸造と販売を始めた佐々木真人さん(62歳)と妻の真理さん(61歳)が主人公です。東京都出身で食品物流関係の仕事をしていた真人さんは28歳の時、旅行関係の仕事をしていた真理さんと結婚。長男が誕生し千葉県内にマイホームを構え、真人さんは益々仕事に精を出していました。しかし、40代半ば、激務から体調を崩し鬱病を発症。真理さんは退職を勧めましたが、真人さんは「会社が嫌なわけでは無い。仕事をしたいが出来ないんだ」と語り、治療しながら仕事をする悶々とした日々が10年間続いたといいます。ようやく元気を取り戻した真人さんに、真理さんは「もっと自分たちらしく生きて行こう。どこかの町でクラフトビールを造らない?」と提案。実は2人ともお酒が好きで特に真理さんはビールが大好き。さらに以前から、60歳を過ぎても出来る仕事を2人は模索していたのです。もちろん、真人さんも賛成し2人は準備を始めました。移住先は幾つかの候補地の中から尾道市に決定。2人は50代半ばで会社を退職、栃木県のビール醸造所でビール作りを学び、2020年に移住。翌年2月『尾道ブルワリー』をオープンしました。2人が造るビールは、尾道の「レモン」を使ったり、瀬戸内海でとれた「いりこ」の出汁を入れるなど、オリジナルのビールを販売しています。また醸造所併設のバー「タップルーム」があり、週末には出来立てのビールを味わう、地元住民や観光客に人気です。病を克服しサラリーマンから転身、第二の故郷でビール職人になった夫婦の日常と集う仲間たちとの交流を紹介します。

築131年の蔵を改装した醸造所でお2人は朝からビールの仕込みです。今日は尾道産のライムと塩を使用したビール「ライムゴーゼ」を造ります。麦汁を煮沸させ、香りと苦みの元になるホップを投入。続いて、香りづけにライムの皮を入れて煮込んだ後は塩を投入、味にキレが生まれるそうです。最後に熟成タンクに移し酵母を加え発酵を待ちます。ライムゴーゼの完成は1か月後、楽しみです!

醸造所併設のバー「タップルーム」は週末のみのオープン。この時季は6種類のビールとシードルを提供しています。初めてのお客様にお勧めは「3種飲み比べ」セット。尾道のレモンやミカンを使った定番の2種類と、いりこを使った季節限定ビールなどを味比べ出来ます。この日、『尾道ブルワリー』に常連さんが集まりました。「間もなく開業4周年。みなさんのおかげです。これからもよろしくお願いします」と真人さん、真理さん。5年目に向け決意を新たにするお2人でした。おめでとうございます!

楽園通信

尾道ブルワリー

佐々木さんご夫婦が営むブルワリーです。
醸造所併設のバー「タップルーム」では、出来立てのビールを味わうことが出来ます。
その他、地域のお店やオンラインショップでも購入可能です。
取扱店など詳しい情報はHP、SNSを確認してください。

営業時間:金・土曜 午後1時~午後7時
       日曜 午後0時~午後5時
定休日:月~木曜・祝日(GW・年末年始は別途設定)
電話番号:0848-38-2710

長崎・長崎市
~夢叶う春! 第二の故郷スペシャル~

長崎県長崎市編は、愛知県から移住し、トラックドライバーから漁師に転身した平田浩太郎さん(51歳)と支える妻の裕美さん(52歳)が主人公です。福岡県出身の浩太郎さんは20代の頃から長距離トラックの運転手をしていました。27歳の時、友人の紹介で裕美さんと知り合い結婚。その後、浩太郎さんの仕事の関係で愛知県豊田市に移住。自動車部品を運ぶ長距離出張が多く、自宅に帰るのは週末のみという日々が続きました。40歳を過ぎた頃から「いつか自然豊かな場所で、のんびり暮らしながら出来る仕事がしたい」と思うようになった浩太郎さん。そんな時、裕美さんがインターネットで“漁業研修”という記事を見つけます。それを見た浩太郎さん「これだ!」と思い立ちます。元々一人でする仕事が好きだった浩太郎さんは「俺は漁師になる!」と決意。こうして41歳でトラックドライバーの仕事を辞め、五島、大分、熊本など九州を中心に漁業研修が出来る場所を探すことに。そして巡り会ったのが長崎市深堀町でした。浩太郎さんは、ここで3年間の漁業研修を経て、2019年、46歳で漁師として独立を果たしました。浩太郎さんは小さな漁船で曳縄漁をし、その合間に干物作りやカキを養殖。さらに漁協施設の一部を借りて、魚介の直売所『長崎みなと水産 平田屋』も開き、カキや魚の干物を販売しています。また地域を盛り上げたいと、漁師や異業種仲間を集め「長崎市みなと青壮年部会深堀」を発足。新たにカキ小屋を造り「牡蠣祭り」を開催するなど、地域を盛り上げようと活動しています。第二の故郷で漁師になり、仲間たちと地域おこしに奮闘する浩太郎さんと、支える裕美さんの暮らしを紹介します。 

豊かな漁場として知られる端島(軍艦島)の沖合で浩太郎さんが狙うのは高級魚「オオモンハタ」。小さな漁船で曳縄漁をする傍ら干物作りやカキ養殖もがんばっています。浩太郎さんは「かつて活気ある漁師町で、煮干し作り、干物作りも盛んだったと聞く。そんな深堀町に戻したいんだ」と熱く語ります。そんな浩太郎さんに干物作りを教えてくれた峰京子さんは「昔は殆どの家が魚を取って干物を作っていた。港にはカーテンの様に干物が並んでいた」と寂しげに言います。もう一度、活気ある深堀町を取り戻そうと、浩太郎さんは様々なことに挑戦しています。

浩太郎さんの新たな挑戦、それがカキ小屋です。「深堀町を訪れた人に深堀のカキを食べて、その美味しさを知って欲しい!」その思いです。カキ祭りも開催予定で、この日は浩太郎さんが立ち上げた青年部のみんなとマガキの試食会です。集まったメンバーは焼きガキを「旨い、旨い!」と次々に平らげます。裕美さん特製、のっぺい汁とカキご飯も美味しそうに平らげました。浩太郎さんは「これからもみんなで、ワクワクするような楽しいことを一緒にやって行きたい、ご協力をお願いします」と挨拶。深堀町の漁業を盛り上げるために仲間と共に挑戦は続きます!

楽園通信

長崎みなと水産 平田屋

浩太郎さんが営む直売所です。
カキ・干物など、新鮮な魚介と加工品を販売しています。
直売所の情報はSNSをご確認ください。

営業時間:午前9時~午後6時
定休日:不定休
電話番号:090-2583-4560

※長崎市では漁業の就業にあたり漁業研修などの支援制度があります。
興味のある方は、「長崎市水産農林部 水産振興課」までお問い合わせください。
水産振興課 電話番号:095-820-6563