宮城・仙台市
~木のぬくもり!おもちゃ工房~

舞台は宮城県仙台市。特別支援学校の教師から「おもちゃ職人」に転身した及川幸樹(61歳)さんと妻の千代美(62歳)さんが主人公です。
宮城県仙台市で生まれ育った幸樹さん。もともと子ども好きだったことから教師を目指し、地元の教育大学へ。卒業後は中学校で国語の先生になりました。33歳の時、同じ中学の美術教師をしていた千代美さんと結婚し、2人の子どもが生まれました。その後、幸樹さんは特別支援学校に異動。これまでの経験が全く通用せず、視覚支援学校で研修を受けた時、“教師が手作りした木の教材”と出会います。木が持つ「温かみ」や「安心感」に驚いた幸樹さん。これが運命を変えるきっかけになり、自らも木の教材を手作りして、授業で使うように。そして57歳で教師を早期退職。「残りの人生、何をして生きようか」と考えた時、浮かんだ仕事が「おもちゃ職人」でした。こうして2021年、幸樹さんは『木のおもちゃ いつき』を開業。「楽しく遊べない子どもは見たくない!」と誰でも遊べる木のおもちゃ作りを始めました。
「子どもたちには、いつも笑顔でいてほしい!」という願いを込めて、木のおもちゃを作る幸樹さんと応援する家族や関わる人たちとの温かい交流を紹介します。



幸樹さんのこだわりは、おもちゃの「手触り」。それを生み出すのが研磨の作業です。まず機械で削り、最後は自分の手で感覚を確かめながら丁寧にヤスリをかけます。「子どもがおもちゃを手に取った時に“これで遊びたい”という表情になるのが嬉しい」といいます。



おもちゃの試作品ができると家に持ち帰り、妻・千代美さんにデザインを見てもらいます。美術教師をしている千代美さんから“愛のあるダメ出し”を受け、問題点を改善。これを繰り返し、千代美さんに「かわいくなったのでこれなら買います」と言われたら、幸樹さんは商品化しています。



幸樹さんは、遊びの場の雰囲気作りとして腹話術にも挑戦しています。おもちゃのメンテナンスを担当している『花巻おもちゃ美術館』では、遊びに来た子どもたちに腹話術を披露し「おもちゃのおじさん」として人気者です。



この日、工房の隣にあるカフェで、地元の子どもたちにおもちゃで自由に遊んでもらうイベント、「おもちゃの広場」を開催しました。「ねらいを持って子どもに遊ばせるとか、知育でおもちゃを使うのでなく、子どもたちが遊び方を決めればいい!」幸樹さんは、子どもたちが自由にのびのび遊べるきっかけ作りを日々行っています。



Café Craft
「木のおもちゃ いつき」の工房の隣にあるカフェです
幸樹さんが手がけた、木のおもちゃも購入できます
営業時間:午前11時〜午後5時
定休日:木・日曜




木のおもちゃ いつき
木のおもちゃの制作・販売を行っております
詳細はSNSをご確認ください
営業時間:午前10時〜午後4時
不定休