長野・松本市
~心を灯す キャンドル工房~

舞台は長野県松本市。偶然開いた雑誌が運命を変え、子育てをしながら手作りキャンドルのお店を営む園原かおりさん(41歳)が主人公です。長野県松本市で生まれ育ったかおりさんは子どもの頃から洋服や雑貨が好きでアロマキャンドルを集めたりしていました。大学卒業後は洋服や雑貨を扱う地元の企業に就職し、26歳で夫・俊司さん(42歳)と結婚。その後、子どもたちを伸び伸び育てたいと自然の多い寿地区に引っ越します。環境も変わり3人の子育てで疲れ切っていた頃、追い打ちをかけたのがコロナ禍。学校も休校、3人の子どもたちが家にいることもあり、かおりさんはかなりのストレスで帯状疱疹を発症しました。そんな時、ふと開いたのが松本のタウン誌。キャンドルスクールの大きい記事が載っていて自分の今までの人生と違う色が見えたといいます。キャンドル作りの基礎を学ぶためスクールに通い、やがて火のゆらめきに幸せを感じるように。かおりさんは「私もキャンドルを通じて、みんなに元気を与えたい」と思い立ちます。その後、自作のキャンドルがSNSで評判になり、デパートからの制作依頼も舞い込んできました。子育てで悩んでいた頃がウソのように、前向きな気持ちになれたかおりさん。「自宅でキャンドル屋さんを開こう!」と殆ど使っていなかった和室を改装し、2022年にキャンドル工房『kotobukirokets(コトブキロケッツ)』をオープンしました。工房の名前は俊司さんが考え、自分たちが暮らす「寿地域」の楽しいことや素晴らしい自然の様子なども併せて発信したいと考えています。一年中使えるキャンドルを作り、普段の暮らしを華やかにしたいと頑張るかおりさん。支えてくれる家族や仲間との笑顔輝く日常を紹介します。



キャンドルは寿地区に暮らす野生動物や植物を型取ったものが多く、素材も地元のものを使用しています。フクロウやかぼちゃ、キツネ型のキャンドルも可愛いと評判。素材で使用しているのはミツバチの巣から取れる蜜蝋です。古くからキャンドル作りに使われていて、蠟が垂れにくいのが特徴です。ケーキなどに挿しても垂れる心配がないので、安心して使えます。さらにドライフラワーを使ったキャンドルもあり、花の色や形を浮き出しやすくするために大豆の油で出来た白いソイワックスを使用。花のキャンドルは見た目も綺麗で大人気です!



かおりさん、今日は長女のあおいさんと次女のかんなさんと猫車を押して元リンゴ農家の百瀬康尋さんの元へお出かけ。不要になり伐採したリンゴの木を新作キャンドルの材料として分けてもらいます。自宅で待っていたのは、かおりさんの夫・俊司さん。自動車板金工ひと筋20年、モノづくりが得意な俊司さんにリンゴの木を10センチほどの厚みに切ってもらいます。さらにカッコいいお父さんに憧れている長男の晟司くんも手伝います。温かな家族に手伝ってもらいながら頑張るかおりさん、楽しんでいます!



最近、コトブキロケッツで人気なのが「赤ちゃんとママのためのワークショップ」。手伝ってくれるのは助産師の伊藤佳奈さん。伊藤さんとかおりさん、2人の子育ての経験から生まれた企画です。赤ちゃんの足型の上に蝋を流し、そこにドライフラワーをのせていきます。かおりさんは知らない土地での子育てに行き詰った経験から「あの頃、ほっと息を抜ける時間があったら…」そんな思いで企画しました。
来店してくれたお母さんが制作に没頭できるよう、赤ちゃんのお世話は助産師の伊藤さんがしてくれます。出来上がった作品は赤ちゃんの足型がアートになった、名付けて「足art」!参加者の方からは「助産師さんにも色々相談もできるし、記念に残るものを作れるというのはいい時間」と好評です。



かおりさんの作品の中には「花のランタン」があります。おすすめの使い方は、ランタンの中にゆらめくLEDライトを入れること。これだとキャンドルを入れるより気軽に楽しめます。かおりさんは「キャンドルといえば夜とかクリスマスのイメージだけど、一年中使ってもらえるように作っていきたい」と語ります。大変な時に救ってくれたキャンドルの灯は心の中で今も輝きを増し続けています。これからも癒しの明かりで、みんなの笑顔を照らしていってください!




Kotobukirokets
(コトブキロケッツ)
園原かおりさんが営むキャンドル工房。店舗ではキャンドルを販売しています。また、キャンドル作りの体験も行っています。
詳しくはホームページをご覧ください。
営業時間 午前10時~午後3時
不定休
蜜蝋キャンドル 1,800円~
ソイボタニカルキャンドル 3,200円
ボタニカルランタン 2,800円