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2024年7月13日文月の弐

福島・田村市
~樹木を守るアーボリスト~

舞台は福島県田村市。東日本大震災後、検察事務官の職を投げうって、岩手県から福島県に移住。樹木管理のプロフェッショナル「アーボリスト®(樹護士)」になった久保優司さん(58歳)が主人公です。
岩手県八幡平市で生まれ育った優司さんは、岩手山を見上げ大志を抱き、大学卒業後は盛岡地方検察庁・検察事務官になりました。担当した事件・事故の現場に足を運び、自らの目で確かめるほど真面目で正義感にあふれていた優司さん。転機は2011年の東日本大震災でした。深刻な被災状況を知り「自分も何かをしなければ」と思い立ち、矢も楯もたまらず災害ボランティアに参加。さらに、福島県内で除染ボランティアにも参加しました。その時、震災のあと手入れされずに樹木が荒れたままの福島の山の姿を目にします。優司さんは自分のふるさと岩手の山と重ね合わせ「この森林を失ってはいけない、福島の山を守りたい!」と強く思い、林業に関わる仕事をしようと一念発起。妻・香世さん(56歳)に「検察事務官を辞め福島県田村市に移住したい。出来なければ、死んでも死にきれない」と訴えたといいます。香世さんは優司さんの強い思いを受け止め、2013年に夫婦で田村市に移住。優司さんは、森林組合などで働きながら樹木の知識と技術を学び、さらにアーボリストに必要な国際資格を取得。そして2022年、木を切り森を守るプロフェッショナル集団『森の人』を立ち上げました。
福島の森を守りたいとアーボリストになった優司さんと見守り支える妻・香世さんの姿。そして共に現場で樹木と向き合う仲間たちとの交流を紹介します。

現在、『森の人』のスタッフは9人。仕事の依頼は福島県内全域から入ります。重機が入れない場所や住宅に密接し倒木の危険性のある樹木の伐採など様々な作業を行います。作業開始前、全員で作業の安全祈願と、今まで生きて来た樹木への感謝の気持ちを込めて、お清めをします。体を支える安全ロープや「スパー」という道具を足にセットし木に登ります。倒したときに建物や他の木に重ならないように、木の上部を切り短くしてから切り倒します。杉の木3本伐採、グッジョブです!

この日はあいにくの雨。現場の作業はお休みにして樹木の勉強会です。弱っている木の見極め、作業上の注意点など優司さんが説明します。アーボリストは樹木医のような知識も必要なのです。勉強会の後は、スタッフ全員で事務所の隣にある中華店へ!優司さんが移住当初から通うお店です。今は、居心地のいいこの町に助けられている優司さんです。

優司さんは、多くの人に森と親しみ、樹木に関心を持ってもらいたいと、ロープを使い木に登る『ツリークライミング®クラブどんぐりの芽』も立ち上げ活動しています。週末、須賀川市のイベント会場でツリークライミングの体験会を開催しました。この日は妻・香世さんもスタッフとして参加。香世さんは、体験イベントの手伝いをしているうちに自分も登りたくなったと言います。今では優司さんと一緒にツリークライミングの楽しさを伝えています。

『森の人』に竹林間伐の依頼が入りました。間伐して光を入れることで、元気な竹林が蘇ります。順調に作業が進み一休み。スタッフ全員が車座になってランチタイムです。「みんなで弁当を食べる時が一番安らぐ」と笑顔で語るみなさん。これからも力を合わせ森を守って行ってください!

楽園通信

森の人

樹木の困りごとなどお気軽にご相談ください。
危険木、支障木の伐採も行います。
全国のアーボリストの紹介もしています。

電話番号:0247-61-7150
営業時間:午前9時~午後4時
定休日:土・日曜・祝日

※お電話またはHPよりお問い合わせください。