三重・桑名市
~旧街道のレンタル古着店~

三重県桑名市で、レンタル古着店を営む生駒郁代さん(46歳)と、店の大家さんで、古着のリメイクを担当する坂本都始子さん(91歳)が主人公。
愛知県安城市生まれの郁代さん。海外の文化に興味を持ち、大学生の夏休みにはオーストラリアでのホームステイを経験しました。その後、タイの施設でボランティアに参加。海外での生活では「自分の常識と全く違うことがある。もっと色んなことを知りたい」と感じたといいます。33歳のとき、エンジニアをしていた和哉さんと、趣味の音楽フェス仲間を通じて出会い結婚。夫婦それぞれの職場に通いやすい桑名市に移住しました。しかし、育児で家庭に入ると郁代さんは、知り合いのいない桑名市で孤独を感じるように。そんなとき、知り合いを作りたいと参加した『子ども食堂』で出会ったのが坂本都始子さんでした。都始子さんが、かつて切り盛りしていたお餅屋さん『福餅』は30年ほど前に閉店し、そのままになっていました。閉めたままのお店を見て「もったいない」と感じた郁代さんは「ここで古着屋さんを開きたい」と考えます。古着が好きな〝面白い人たち〟が集まる店。それもレンタルなら、何度も通ってくれる…。都始子さんも快くスペースを貸してくれました。さらに若い頃、洋裁学校に通っていた都始子さんは、得意の裁縫でも力を貸してくれることに。こうして2018年、レンタル古着店『Fukumochi vintage』がオープンしました。
かつて桑名の町に愛されたお餅屋さん『福餅』。長年閉まっていたシャッターが開き、新たなお店として復活すると、再び人が集い、様々な出会いも生まれるようになりました。「面白い人と、面白い町を作っていきたい」という思いのもと、レンタル古着店を営む郁代さんと、裁縫の腕を生かす都始子さん。そこに集う人々や、2人を支える家族の姿を紹介します。



郁代さんが開いた『Fukumochi vintage』。店内には、個性豊かな古着が、ずらりと並んでいます。年会費を払えば、古着は借り放題。いわば古着のサブスクです。お客様のなかには、過去に寄付した自分の服を借りる人もいます。「自分の部屋には置きっぱなしにはしないけれど、この季節なったし、またちょっと借りに行こうかな」と思うのだとか。クローゼットのような使い方ができるのも、お店の魅力です。



若い頃、洋裁学校に通いオシャレ好きだった都始子さんが寄付してくれた洋服があります。亡き夫がプレゼントしてくれたという、レースのブラウスです。お客様からは「かわいい」と声が上がります。「思い出の洋服をタンスに仕舞っておいては、かわいそう。若い人に着てもらえたら嬉しい」と笑顔を見せる都始子さん。よみがえった古着たちは、輝いてます。



休日、家族4人で向かったのはシェア菜園『ヤギときどき野菜』。生駒さんご家族は1区画を借りて野菜を育てています。この日は旬のソラマメをみんなで収穫。「家族の休日も面白く!」が生駒さん流です。夕食には、もぎ立てをそのまま焼いたソラマメを頂きます。鞘の中で蒸し焼きになったソラマメは旨味が凝縮してホクホク!「甘い。美味しい」と家族みんなが笑顔に包まれました。



得意の裁縫でお店を支える都始子さん。この日はジャケットの袖を取り、ベストにリメイクします。お店の奥が都始子さんの作業場。ひと針ひと針、心を込めて作業を進めていきます。そして完成したジャケットは、郁代さんのイメージ通り! 更に、余った袖で、ポケット替わりになる巾着まで作ってしまいました。巾着は郁代さんの次男・悠くんへのプレゼント。思いがけないサプライズに悠くんも嬉しそうです。




Fukumochi vintage
郁代さんが営むレンタル古着店。新規会員の登録は、店頭で受け付けています。臨時休業がありますので、ご来店の際はSNSでご確認ください。
また、営業時間外のご来店はご遠慮ください。
営業時間 水・木・金曜日:午前11時~午後3時
土曜日:午後1時~午後3時
(祝日は午後1時~午後3時)
定休日:日・月・火(臨時休業の場合はSNSに記載)