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2023年5月27日皐月の肆

静岡・島田市
~極めろ!父ちゃんのイチゴ道~

農業が盛んな静岡県島田市で、イチゴ農家を営みながら直売所を兼ねたイチゴカフェを始めた渡瀬 豊さん(38歳)と妻の嘉余さん(38歳)が主人公。
浜松市出身の豊さんは高校卒業後、地元の大手企業に就職し、船舶のエンジン製造の担当に。幼い頃から何かにハマると、とことんまで追求してしまう性格だという豊さん。ある日、競艇を見に行ったことがきっかけで「船を造るより乗る方がかっこいい!」と感じて、突然会社を辞めボートレーサーを目指すことに。難関を突破しボートレーサー養成所に入所しましたが、不運なことに大怪我を負い、夢を諦めざるを得ない状況になってしまいました。元来前向きで明るい豊さんが、うつ状態になり何もする気がおきない毎日…。そんな時、高校の同級生で長年友人だった嘉余さんと再会し、支えられお付き合いが始まりました。その後お2人は結婚し、ある日、嘉余さんの誘いで知人のイチゴ農園を訪れた時のこと。豊さんは甘いイチゴを口にした瞬間「美味しい!僕もこんなイチゴを作りたい!」とまたもや突然ひらめき、イチゴ農家を目指すことに。豊さんは、農業研修を経て2016年に独立。長女・光純(ありす)さんの名を取り『ありすふぁーむ』と名付けました。2019年にはイチゴの直売やイチゴスイーツを販売する『ありすふぁーむ』のカフェ部門もオープン。
紆余曲折ありながらもイチゴ農家となり、日々笑顔で暮らす豊さん・嘉余さんと元気な子どもたち。そして『ありすふぁーむ』のイチゴを愛するたくさんの仲間たちと交流し、笑顔が絶えない日々をこれからも楽しんで下さいね!

豊さんが育てるのは、「きらぴ香」という繊細で育てるのが難しいと言われる品種。こだわりは、イチゴの上部・ヘタの部分まで真っ赤に染まった“完熟イチゴ”のみを販売することです。特に甘みを出すことへの探求心が強く、肥料や温度管理など様々な研究の末、強い甘味を持つイチゴの栽培に成功しました。糖度はイチゴとしてはかなり高い15度以上、中には22度を超えるものも…!アリスファームのイチゴを求めてやってくるお客さんは「他とは味が違う、甘くて美味しい」と絶賛していました。完璧な完熟度合いは豊さんしか見極められないため、栽培から収穫まで豊さん1人で行っています。そして、豊さんから1つだけ注意点が…「完熟なので当日~翌日中が食べごろ。それ以上置くと悪くなってしまう」とのこと。とっても貴重なイチゴなんです。

かつてはボートレーサーの夢をひたすら追いかけていた豊さんですが、今や四六時中「イチゴ」のことばかり考えているそう…。そんな夫のことを「イチゴが妻で、私はその次」と笑いながら語る嘉余さんです。朝摘みの完熟イチゴは、カフェに届くと細かく選別作業が行われます。まずは少しでも傷がついたイチゴをはじき、サイズごとに分けてパック詰めして販売。また、クレープやパフェにどっさり乗せたりと、イチゴ農家ならではの豪快なスイーツに姿を変えお客さんに喜ばれています。メニューを考えたのは、子育ての傍ら時折店に立つ嘉余さん。さらに、傷があってはじかれたイチゴや売れ残ったイチゴを無駄にしたくないと、その日のうちに冷凍保存し有効活用もしています。粒のままのイチゴが丸ごと入ったジャムや、イチゴ酢などに加工し、店内で販売。これがまた美味しいと人気で、フードロスにもならず一石二鳥です。

日々忙しい中でも、家族の時間も大切にしたいと考えているご夫婦。そこで…最近していることがあるんです。朝、子どもたちと散歩しながら、食材を持って近所の大井川の土手へ。なんとここで、朝食作りが始まりました。豊さんはパンにチーズやハムを挟んだサンドイッチ。長女・光純さん(8歳)が作ったのは、たっぷりの生クリームをパンに乗せ、朝採りイチゴを贅沢に使ったイチゴサンド!「外で食べるごはんおいしい!」と、とっても楽しそうです。笑顔で大きな生イチゴをほおばる長男・勇貴くん(4歳)もこの時間が大好き。大自然の中で鳥のさえずりや川のせせらぎ、朝の爽やかな空気を感じながらの朝ごはんは特別な時間です。
去年、大井川の近くにある中古の家に引っ越したことがこの「土手モーニング」をはじめたきっかけで、ご夫婦曰く「そこに川があったから!」なんだそうです。

この日、渡瀬家に農家仲間が集まりました。ご近所で枝豆やレタスなどを育てている荒川さんご家族と、豊さんがイチゴづくりを始めるきっかけとなったイチゴ農家・鈴木さんです。かつて嘉余さんに誘われて鈴木さんのイチゴ農園を訪れ、そこで食べたイチゴに感銘を受けてイチゴ農家を目指した経緯があり、鈴木さんは言うなればイチゴの師匠。でも「師匠でありライバル、どっちのイチゴが美味しいか競っている」と負けん気の強い豊さんです。早速、手土産に持ってきてくれた師匠・鈴木農園のイチゴを食べた豊さんは…「美味しい。こういう味を目指したい」と酸味や甘味のバランスの取れた味わいに驚きを隠せません。妻に「悔しいんでしょう?」と聞かれ、思わず「くやしい!」とつぶやいた豊さん。そんなあなただからこそ、これからも切磋琢磨しながら、どこまでも美味しいイチゴ作りを追求していくのでしょう!

楽園通信

「ありすふぁーむ」イチゴ直売所&カフェ

渡瀬さんご夫婦が営む、イチゴの直売所とカフェです。
あと少し、5月いっぱいはイチゴの販売を行っています。
6月以降も冷凍の完熟イチゴを使ったスイーツの販売をしています。
問い合わせの際は、電話は繋がりにくいことがありますので、ホームページの「お問い合わせフォーム」へお願いいたします。

電話番号:0547-70-9027
営業日時:午前10時~午後5時
定休日:火曜