柳原尚之先生(季節を噛みしめる)

じゃがいも餅

もっちりしているのに噛みやすく、飲み込みやすい。甘いごまだれをかけていただきます。

1人分
テキストNO.201 P105

材料(2人分) じゃがいも・・・300g
小麦粉・・・50g
ごま・・・大さじ4
砂糖・・・大さじ3
醤油・・・大さじ1
海苔・・・大判1枚
サラダ油・・・少々

作り方

作り方
【1】じゃがいもは皮ごと茹でて、細串が入るほどになったら取り出し、皮を剥いてから粗熱をとる。
【2】【1】をすり鉢でよくつぶして混ぜ、小麦粉を少し残して数回に分けて加えて、よく混ぜる。
【3】【2】を8等分にして、残りの小麦粉で打ち粉をしながらお好みの形に整え、熱湯で茹で、浮いてから2〜3分待ってから取り出し、水気をきる。
【4】フライパンにサラダ油を熱し、【3】のじゃがいも餅を折れて焼き目をつけて焼く。
【5】小鍋にごまを入れてきつね色になるまで煎り、すり鉢に入れてよくすり、砂糖、醤油を加え、さらにすり混ぜる。
【6】【4】のじゃがいも餅に【5】のごまだれをかけ、海苔を巻いていただく。

ポイント
  • 【皮ごと茹でる】
    じゃがいもは皮ごと茹でることで、水っぽくならず、旨みも逃げません。また、じゃがいもは粗熱をとってから、すり鉢ですることで粘りが出ます。
  • 【茹でてから焼く】
    熱湯に入れて浮かび上がってきたら茹であがりです。そのままでも食べられますが、焼くことでさらに餅のような香ばしさと食感になります。

海老団子のお椀

海老をすって口当たりの良い、揚げ団子にしました。椀だねにしても、そのままおつまみでも。

1人分
テキストNO.201 P104

材料(2人分) エビ(殻つき)・・・300g
(正味150g)
塩・・・少々
片栗粉・・・小さじ1
揚げ油・・・適量
椎茸・・・3枚
三つ葉・・・適量

<本汁>
|だし汁・・・3カップ
|うす口醤油・・・小さじ2/3
|塩・・・小さじ2/3

材料補足 だし汁の作り方(作りやすい分量)
昆布長さ20cmと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火をとめ、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

【1】 エビは頭と殻を除き、背ワタをとる。細かく包丁で叩いてからすり鉢に入れてすり、塩、片栗粉を加えて混ぜる。
【2】 【1】を一口大に丸めて、180℃ほ油で色よく揚げる。
【3】 椎茸は軸を取り、厚めのせん切りにしてから熱湯で茹で、水にとる。
【4】 鍋にだし汁を入れて煮立て、うす口醤油、塩、【3】を加えて温める。
【5】 椀に海老団子を入れ、熱々にした【4】を張って三つ葉を添える。また、海老団子に串を打って、すだちをかけていただいてもおいしいです。

ポイント
  • 【叩いてからする】
    エビはある程度形がなくなるまで包丁で叩いてから、すり鉢ですります。そうすることで、なめらかでふんわりとした口当たりになります。
  • 【適温で揚げる】
    たっぷりの油で適温(180℃)で揚げることで、カラッと軽く仕上がります。スプーンですくって入れても、団子状になります。

牡蠣の胡椒飯

カキの香ばしい食感と旨みが広がるご飯・・・。
こしょうを入れて炊く「胡椒飯」は、江戸時代から伝わる粋な料理です。

1人分エネルギー 645kcal 塩分3.4g
テキストNO.200 P102

材料(2人分) カキ(むき身)・・・200g
<カキの下煮汁>
|醤油・・・大さじ1
|酒・・・大さじ1 1/2
米・・・2カップ
カキの下煮汁+だし汁*・・・480cc
粗びき黒こしょう・・・ふたつまみ
塩・・・ひとつまみ
サラダ油・・・小さじ1
白髪ねぎ、あさつき・・・各適量

材料補足 *だし汁の作り方(作りやすい分量)
昆布長さ20cmと水1200ccに入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立たったら火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

【1】カキはざるに入れて塩小さじ2(分量外)をふり、ざるごとボウルにためた少量の水の中でふり洗いする。流水で塩を洗い流し、水気をきる。米は研いで、ざるに上げておく。
【2】鍋に下煮汁の材料を入れて火にかけ、煮立ったところにカキを加え、ひだが開き、火が入ったら取り出す。
【3】炊飯器に米を入れ、2の下煮汁にだし汁を足して水加減し、粗びき黒こしょう、塩を加えて炊き上げる。
【4】フライパンにサラダ油を熱し、2のカキを入れて、軽く焼き目をつけて焼く。
【5】茶碗に3のご飯をよそい、4のカキ、白髪ねぎ、あさつきを添える。

ポイント
  • 【下煮する】
    カキを煮汁に入れて下煮(下味をつけるために煮ること)し、火が入りひだが開いて身がぷっくりしたら取り出します。カキの旨みを残した煮汁でご飯を炊きます。
  • 【フライパンで焼く】
    下味のついたカキにフライパンで軽く焼き目をつけることで、香りが出て、煮たカキとはまた違う食感が楽しめます。

サバの揚げ煮

サバの竜田揚げに熱々の煮汁をかけて。
下味がしっかりついているので、噛めばサバのおいしさが口いっぱいに広がります。

1人分エネルギー 263kcal 塩分2.1g
テキストNO.200 P103

材料(2人分) 真サバ・・・半身
<下味>
|練り辛子・・・小さじ1
|醤油・・・小さじ2
片栗粉・・・適量
揚げ油・・・適量
しし唐・・・4本
<煮汁>
|だし汁*・・・300cc
|みりん・・・大さじ1
|砂糖・・・大さじ2
|うす口醤油・・・大さじ2 1/2
|酢・・・大さじ1
大根おろし・・・200g

材料補足 *だし汁の作り方(作りやすい分量)
昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立たったら火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

1.サバは骨抜きで小骨を除き、皮の真ん中に切れ目を1本入れて2cm幅に切る。
2.1をバットなどに入れ、練り辛子、醤油を入れ、手で全体になじませてから10分ほどおき、下味をつける。
3.2のサバをバットから取り出し、片栗粉を全体にまぶし、180℃の油でカラリと揚げる。しし唐は縦に切り込みを1本入れて、170℃で素揚げする。
4.鍋に煮汁の材料を合わせ煮立たせる。
5.器に3を盛りつけ、大根おろしを添え、熱々にした4、お好みで一味唐辛子をかけていただく。

ポイント
  • <小さく切り分ける>
    サバを2cm幅に小さく切ることで、食べやすくなります。また、先に皮の真ん中に切れ目を1本入れることで、皮が縮んで反り返ることを防ぎます。
  • <しっかり下味>
    下味は、手でなじませます。そうすることでしっかりとした下味がつくので、冷めてもおいしいままいただけます。

茄子の味噌汁

美しい茄子紺。
ちょっとしたコツで、その鮮やかさを損ないません。
噛むほどに夏を感じます。

1人分エネルギー 91kcal 塩分5.0g
テキストNO.199 P101

材料(2人分) なす…2本
だし汁*…4カップ
赤味噌…70g
1人分 91kcal  塩分 5.0g

材料補足 * だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

1.なすはヘタを取り、縦半分にしてから5mm厚ほどの斜め切りにする。
2.ボウルに水を張ってなすを入れ、落とし蓋をして10分ほど浸す。
3.蓋のできる鍋にだし汁を沸かし、なすを入れて、蓋をして手で押さえながらしっかりと沸騰させる。
4.茄子に火が入ったら、赤味噌を溶き入れ、煮えばなをいただく。

ポイント
  • <水に浸ける>
    水に浸ける時に落し蓋をすることで、アクが抜けるだけでなく、なすに水が入り、できあがりで浮きなすがなくなります。
  • <圧力をかける>
    なすを入れたら蓋をして上から押さえます。圧力をかけることで、短時間で高温になり、なすの色がきれいに仕上がり、食感もよくなります。

冷やしうどん

コシのあるうどん。
かぼちゃと厚揚げは香ばしく。
様々な食感を楽しめるごちそうです。

1人分エネルギー 572kcal 塩分4.3g
テキストNO.199 P100

材料(2人分) うどん(乾麺)…2束
温泉卵*1…2個
かぼちゃ…50g
厚揚げ…1/2枚
梅干し…2個
大葉…4枚
みょうが…1個
生姜…15g
煎りごま…小さじ2
土佐醤油
 醤油…大さじ11/2
 みりん…大さじ1/2
 酒…大さじ11/2
 酢…小さじ2
 砂糖…小さじ2
 だし汁*2…65cc
 かつお節…4g

材料補足 *1 温泉卵の作り方
卵を常温に戻す。鍋に湯を沸かし、塩小さじ1と酢大さじ1を入れ、再度沸騰したら火からおろす。卵を静かに入れ、蓋をして20分そのままにし、水にとって冷ます。


*2 だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

1.かぼちゃは薄切りにし、厚揚げと一緒にグリルで焼き色がつくまで焼く。焼いた厚揚げは一口大に切る。
2.大葉は細いせん切りにして布巾に包み、流水で揉んでアクを抜く。みょうがは、輪切りにする。生姜はおろす。
3.うどんは表示時間通りに茹でて冷水でよく揉み洗いし、ざるに上げて水気をきる。
4.鍋にかつお節以外の土佐醤油の材料を入れて火にかけ、沸いたらかつお節を入れて1分ほど煮て、布巾でこし、冷ます。
5.器にうどんと1.を盛り、温泉卵を割り入れ、梅干しをのせ、ごまをかけ、2.を添えて、土佐醤油をかけていただく。

ポイント
  • <焼き色をつける>
    かぼちゃと厚揚げは焼き色がつくまでグリルで焼きます。香ばしくなるだけでなく、食感も楽しめます。
  • <冷水で洗う>
    うどんは茹でた後、水気をきり、一気に冷水でよく揉み洗います。しっかりと洗うことでぬめりが取れ、コシが出ます。

なすの揚げびたし

なすを少量の油で揚げて、熱々の煮汁をかけます。
とろっと柔らかくしっかり味の染みたなすは、絶品です。

1人分エネルギー 147kcal 塩分0.9g
テキストNO.198 P101

材料(2人分) なす・・・2本
<煮汁>
|だし汁*・・・1/2カップ
|砂糖・・・大さじ1
|酒・・・大さじ1/2
|醤油・・・小さじ2
あさつきの小口切り・・・適量
おろし生姜・・・15g
揚げ油・・・大さじ3

材料補足 *だし汁の作り方
昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

作り方

1. なすはヘタを落として、縦半分に切ってから、さらに縦4等分に切る。
2. フライパンに油を熱し、なすを皮目から入れて色よく揚げる。後、バットに並べる。
3. 鍋に煮汁の材料をすべて入れて火にかけ、砂糖を溶かし、熱々にしてなすにかける。
4. 器になすを盛り、煮汁を張って、あさつき、おろし生姜を添える。

ポイント
  • <食感を残す>
    なすは縦に繊維が走っているので、繊維に沿って縦に切ると、食感がよく、噛みやすくなります。
  • <皮目から入れる>
    なすは、油との相性がとてもよいです。皮目を下にして揚げることで、余分な油をなすが吸い込みません。また、鮮やかな皮の紺色を保ち、とてもきれいに揚がります。

鶏の手綱揚げ

鶏肉を手綱に結び食べやすくした竜田揚げです。
冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにも。

1人分エネルギー 232kcal 塩分1.4g
テキストNO.198 P100

材料(2人分) 鶏むね肉・・・1/2枚(150g)
<下味>
|醤油・・・大さじ1
|おろし生姜・・・15g
しし唐・・・4本
片栗粉・・・適量
揚げ油・・・適量

作り方

1. 鶏肉は、繊維に沿ってそぎ切りにする。中心に1cmほどの切り込みを入れ、水気をキッチンペーパーで拭き取る。鶏肉の片端を切り込みに通し、手綱を作り、下味に10分漬ける。
2. しし唐は軸を切り落とし、破裂して油が跳ねないように縦に切り目を1か所ずつ入れる。
3. 1の鶏肉に片栗粉をまぶし、180℃の油に入れて、きつね色に揚げる。しし唐は、170℃の油で揚げる。
4. 器に鶏肉としし唐を形よく盛りつける。

ポイント
  • <繊維に沿って切る>
    鶏肉は、繊維に沿ってそぎ切りにすることで、火が入っても縮みを防ぎ、パサつかずに柔らかい食感になります。
  • <手綱に結ぶ>
    手綱にすることで火が入りやすく、外はサクッと、中はしっとり揚がります。
    また、中心に切り込みが入っているので、短時間で揚げることができます。

たけのこの卵とじ

春の香りいっぱいの優しい味わいです。
ごはんにのせて、丼にしてもおいしいです。

1人分エネルギー 154kcal 塩分1.6g
テキストNO.197 P96

材料(2人分) たけのこ(茹でたもの)・・・小1本(100g)
菜の花・・・4本
<煮汁>
|だし汁*・・・1カップ
|砂糖・・・大さじ1 1/2
|醤油・・・大さじ1
|酒・・・大さじ1/2
|みりん・・・大さじ1/2
片栗粉・・・小さじ1(同量の水で溶く)
卵・・・2個
木の芽・・・適量

材料補足 *だし汁の作り方
昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

ポイント
  • <切り分ける>
    たけのこの、穂先の柔らかい部分は繊維に沿って切り、根元の固い部分は繊維を断ち切るようにして、歯ごたえを残して切ることで、2種類の食感を楽しめます。
  • <後入れ>
    菜の花は、煮すぎると食感が悪くなります。たけのこに味が入ってから鍋に加え、軽く煮て色よく仕上げます。

笑山からし酢和え

″山笑う″とは春の季語。
わらびやうどなどほろ苦い山菜にはからし酢がよく合います。

1人分エネルギー 106kcal 塩分0.6g
テキストNO.197 P97

材料(2人分) 大根・・・100g
人参・・・25g
うど・・・50g
わらび・・・3〜4本
重曹・・・少々(耳かき1杯分)
<からし酢>
|酢・・・大さじ3
|砂糖・・・大さじ2
|だし汁*・・・大さじ1
|うす口醤油・・・小さじ1
|練り辛子・・・小さじ1
くるみ・・・10g
サラダ油・・・少々

材料補足 *だし汁の作り方
昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。

ポイント
  • <切り揃える>
    野菜のシャキシャキとした歯ごたえを残したい時は、繊維に沿って切ります。また、3cm長さは、口の大きさとほぼ同じ。長さを揃えて切ると、食べやすくなります。

  • <重曹で茹でる>
    重曹を入れて茹でることで、食感を残して柔らかくなり、アク抜きにもなります。重曹を入れすぎると、穂先が溶けてしまうので、適量を守りましょう。