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柳原尚之先生(季節を噛みしめる)
牛丼
肉を入れるタイミングで、食感が大きく変わります。
1人分エネルギー 855kcal 塩分3.5g
テキストNO.196 P107
材料(2人分)
米…1 1/2カップ
水…360cc
牛切り落とし肉…200g
玉ねぎ…1/2個
しらたき…1/2玉
<煮汁>
だし汁…1カップ
砂糖…大さじ4 1/2
みりん…大さじ3
醤油…大さじ4
酒…大さじ1
紅生姜…適量
材料補足 *だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。
1. 米は洗って、分量の水を加えてふっくら炊き上げる。
2. 牛肉は4~5cm長さに切り、玉ねぎは繊維に沿ってくし形切りにする。しらたきはほぐして、熱湯でさっと茹でてざるにとり、3cm長さに切る。
3. .鍋に煮汁の材料を合わせて煮立て、玉ねぎ、しらたきを入れる。玉ねぎが透き通ってくれば、牛肉をほぐし入れ、中火で煮て火を通し、火を止める。
4. 丼に炊きたてのごはんをよそい、3をのせ、紅生姜を飾る。
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<食感をいかす>
玉ねぎのシャキシャキとした食感を残したいので、繊維に沿って切ります。やわらかい牛肉との歯ごたえの違いを楽しみます。 -
<ふり分け煮>
数種の具材を一緒に煮る場合、それぞれの煮る場所を分けて煮ます。そうすることで火の通り加減も一目瞭然。牛肉の赤色がなくなればできあがりです。
高野豆腐
日本には古来、たくさんの保存食があります。
乾物には、生のままとは別の深い滋味があります。
多くの乾物に共通しているのが、使う時には水でしっかり戻してから使うこと。
戻し方によって、味や食感が変わります。
溢れるだしの味をいただく、まさに噛んでおいしい料理です。
先人たちの知恵を上手に受け継いでいただきたいものです。
1人分エネルギー 97kcal 塩分0.9g
テキストNO.196 P106
材料(4人分)
高野豆腐…3個
<煮汁>
だし汁…2カップ
砂糖…大さじ5
薄口醤油…大さじ1
塩…小さじ1/3
酒…大さじ1
スナップえんどう(茹でたもの)…8本
木の芽…4枚
材料補足 *だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。
高野豆腐を膨らませる(戻す)
高野豆腐は横2つに包丁で切り、ボウルに入れる。たっぷりの湯を注ぎ、落とし蓋をして、さらに被せ蓋をする。1分ほどしたら高野豆腐を裏返し、もう1分ほど蒸らして十分に膨らませる。
1. 膨らませた高野豆腐を水にとり、水中で両手で挟んで壊さないように揉んで濁りを除く(最初、含んだ熱湯が出てくるので、加減しながら少しずつ揉んでください)。水を取り替えてこれを2~3回繰り返してから、半分に切る。
2. 鍋に煮汁の材料を合わせてひと煮立ちさせ、高野豆腐の水気を両手で挟むように絞ってから入れ、弱火で3分ほど煮る。
3. 2にスナップえんどうを半分に切って入れ、味がなじんだら、器に盛り、木の芽を飾る。
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<膨らませる>
凍らせて乾燥させた高野豆腐は熱湯でしっかり膨らませます。熱湯で戻すとキシキシとした感じがなく戻ります。冷めないように二重に蓋を被せます。
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<しっかり絞る>
高野豆腐は、膨らませたままでは味が入りません。しっかり絞って、小さくなっているうちに煮汁へ。元の形に戻ろうとするときに煮汁を吸い、味が含みます。
いか鍋
やわらかいイカと白菜を極上のだしで炊きました。
寒い日のお供に。
1人分エネルギー 280kcal 塩分2.3g
テキストNO.195 P111
材料(2人分)
ヤリイカ…小2杯
白菜(中葉)…1/6株
水菜…1/3束
しいたけ…2枚
春雨…適量
木綿豆腐…1/2丁
<鍋の汁>
だし汁※…2 1/2カップ
砂糖…大さじ1
醤油…小さじ1/2
うす口醤油…大さじ1
みりん…大さじ1/2
塩…小さじ1/3
材料補足 *だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。
<ヤリイカ>
胴体と足をはずし、軟骨をとる。胴体は1cm厚さの輪切り、足は墨袋、内臓、目と口を除き、食べやすく切る。
<白菜、水菜>
食べやすい大きさに切る。
<しいたけ>
石づきを取り、半分に切る。
<春雨>
水に浸けて戻し、食べやすい長さに切る。
<木綿豆腐>
6等分に切る。
<鍋の汁>
すべて合わせておく。
小鍋に具を盛り込み、鍋の汁をはり、火にかける。それぞれに火が入ればいただく。
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<イカをやわらかく>
今回使うイカはぜひヤリイカを選んでください。固くなりにくい特徴があります。色が変わって火が通ったくらいがちょうどよく、食べ頃。やわらかくいただけます。 -
<白菜をやわらかく>
やわらかいところは、やはり黄味がかった中葉です。だしが染みて透明感が出たら、食べ時。芯は削ぎ切りにすると噛みやすいです。
かわり五万米
おせち料理の田作りに松の実を加えて食感の相乗効果を楽しみます。
少しずつしっかり噛んで、新しい年をお迎えください。
1人分エネルギー 331kcal 塩分2.3g
テキストNO.195 P110
材料(2人分)
ごまめ…40 g
松の実…25 g
サラダ油…大さじ2
<蜜>
砂糖…大さじ3 1/2
醤油…大さじ1 1/2
酒…大さじ1 1/2
1. フライパンにサラダ油を熱し、ごまめを炒める。少し色づいてきたら、松の実を加え、松の実がきつね色になったところで、キッチンペーパーに取り出して広げ、冷ます。
2. 小鍋に蜜の材料を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めてよく混ぜる。これを3回ほど繰り返し、とろみがついたら火を止めて、1を加えて絡める。
3. ごまめと松の実を小鍋の端に集め、空いたところで残った蜜を煮立て、飴状になったら、再度ごまめと松の実に蜜を絡める。
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<水分をとばす>
ごまめのパリッとした食感を出すために大事なことは、炒めた後にしっかり冷ますこと。余分な水分をとばすことで、食感が長続きします。 -
<飴を作る>
最初に蜜を作り、ごまめに絡めた後、ごまめを端に寄せ、飴状になるまで煮詰めて、ごまめに絡ませます。こうすると適度な固さに仕上がります。
金目鯛の煮付け
脂ののった金目鯛は、さっと10分ほどで仕上げるのがおいしさのコツ。
たっぷりの煮汁を張っていただくと、甘辛の煮付けと金目鯛そのものの味が口の中で溶け合います。
1人分エネルギー 287kcal 塩分2.6g
テキストNO.194 P106
材料(2人分)
金目鯛(切り身)…200g
金目鯛のあら…100g
牛蒡…9cm
生姜…15g
<煮汁>
醤油…70cc
みりん…70cc
砂糖…大さじ2 1/2
<玉酒>
酒…大さじ2
水…100cc
1. 牛蒡は、皮をこそげて縦に4等分に切り、米の研ぎ汁で柔らかく茹でる。生姜は、皮つきのまま薄切りにする。金目鯛は3cm幅ほどに切り、あらとともに立て塩(水2カップに塩大さじ1を溶かす)で洗い、血などを落とす。
2. 鍋に煮汁、牛蒡を入れて強火にかける。煮立ったら金目鯛、生姜を入れて落とし蓋をする。
3. 再び煮立ったら、玉酒を2回に分けて入れ、10分ほど艶よく煮上げる。(アクが出れば取る)
4. 牛蒡を3等分長さに切り、金目鯛とともに器に盛る。
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<煮魚の基本>
必ず小煮立ちのところに魚を入れます。煮崩れを防ぎ、臭みも抑えることができます。盛り付けた時に、見せたい面を上にして煮ると仕上がりがきれいです。
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<玉酒>
酒を加えた水のこと。強火でさーっと炊き上げる時「玉酒」を使うことで、魚のクセをスッキリ取ることができます。落とし蓋の上から入れてください。
小芋の炊き込みご飯
ねっとりとした小芋、香ばしい醤油の香りは新米で作りたいごちそうです。
1人分エネルギー 646kcal 塩分3.2g
テキストNO.194 P107
材料(2人分)
洗い米…2カップ
小芋…150g
塩…大さじ1
サラダ油…小さじ1
醤油…大さじ1
<調味液>
だし汁…460cc
醤油…小さじ2
酒…大さじ1
塩…小さじ1/4
焼き海苔…適量
三つ葉…適量
材料補足 *だし汁の作り方…昆布20cm長さと水1200ccを鍋に入れて中火にかけ、鍋から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。
1. 小芋は割り箸のヘリを使って皮をすべてきれいにこそげ取り、塩をまぶしてよく揉んでヌメリを取り、水洗いしてキッチンペーパーなどで水気をとる。
*小芋が大きければ半分に切る。
2. 小鍋を熱し、サラダ油、小芋を入れて軽く焼き目をつける。醤油を鍋肌にかけ、少々焼いて、小芋と絡め、火を止めて、冷ます。
3. 炊飯器に米と冷ました小芋、Aを入れて普通に炊く。
4. 茶碗によそい、海苔をちぎってふり、三つ葉を添える。
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<焼き醤油>
醤油の魅力のひとつ、香りを引き出すには熱を入れること。鍋肌に触れさせてしっかり熱を通し、香ばしい香りを引き出す「焼き醤油」にしてから、小芋と絡めます。
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<醤油の色>
おいしそうな醤油色に染まった小芋の色は不安定です。小芋はしっかり冷ましてから炊飯器へ。熱いまま炊くと、醤油色が薄くなってしまいます。
冬瓜と海老の清汁
体を冷ます効果のある冬瓜。色よく下茹でして薄味に仕上げましょう。
1人分エネルギー 154kcal 塩分3.2g
テキストNO.193 P104
材料(2人分)
冬瓜(3cm×4 cm)…2個
海老…2尾
そうめん…1束
長ねぎ…4cm
青柚子の皮…適宜
<下煮汁>
だし汁*…300ml
塩…小さじ2/3
うす口醤油…大さじ1
みりん…大さじ2
<本汁>
だし汁*…450ml
塩…小さじ1/2
うす口醤油…小さじ1/2
材料補足
<*だし汁の作り方>
昆布20cm長さと水1200mlを鍋に入れて中火にかけ、昆布から泡が出れば取り出し、火を強める。煮立てば火を止め、かつお節16gを入れて沈め、1分おいて布巾でこす。
1. 海老は頭と背わたを取り、色よく塩茹でして水にとり、殻を剥く。長ねぎは長さを半分に切ってせん切りにし、水に浸ける。冬瓜はワタと種を切り落とし、皮を薄く剥いて皮目に綾の包丁目、裏に十字の包丁目を入れる。
2. 鍋に米の研ぎ汁(分量外)と冬瓜を皮目を下にして入れ、布巾をかけて水から下茹でする。冬瓜に細串が刺さるほど火が入れば、水にとり、冷ます。
3. 別鍋に下煮汁、冬瓜を皮目を上にして入れ、布巾をかけて中火で5分煮る。
4. そうめんは端をタコ糸などで縛って茹で、水にとり、ざるに上げる。本汁の材料を別鍋に入れ、温める。
5. そうめんは結び目を切り落とし、冬瓜、海老とともに椀に盛り、熱い本汁をかける。長ねぎ、青柚子を添える。
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<冬瓜の下茹で>
皮目を下にし、空気に触れないように茹でるときれいな緑色になります。布巾をかぶせれば、煮立ちを押さえつけることなく、冬瓜が反転してしまうことを防ぎます。 -
<下煮汁>
具に含ませる煮汁のこと。冬瓜の香りを生かすため、ほんのりとした下味をつけます。このままでもおいしい冬瓜を汁に仕立てます。
いんげんのごま味噌和え
いんげんのポリポリとした食感は、夏のイメージにつながります。
普段のおかずや酒の肴にぴったり。
1人分エネルギー 151kcal 塩分2.7g
テキストNO.193 P105
材料(2人分)
さやいんげん…150g
塩…ひとつまみ
<ごま味噌>
みがきごま…大さじ3
信州味噌…大さじ2
砂糖…大さじ2 と1/2
醤油…小さじ1
1. いんげんは塩を入れた熱湯で色よく茹で、水気をきり、すぐにボウルに入れてうす口醤油小さじ2(分量外)をまぶす。ざっと混ぜたらすぐにざるに上げて水気をきり、団扇などで冷ます。
2. ごまを鍋できつね色になるまで炒って、すり鉢でしっかりする。
3. 小鍋に味噌、砂糖、醤油を入れて、つやが出るまで強火で練る。2に加えてすり合わせる。
4. いんげんを3等分に切り、ごま味噌と和える。
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<醤油洗い>
茹でたての野菜に下味をつけると同時に余分な水分を出す役割があります。特に和え物は、水っぽく仕上げないために、この手法はよく使います。 -
<絡ませる味>
いんげんのシャキシャキとした食感を生かすために、ごまは形がなくなるまでしっかりすってください。濃厚なごま味噌の風味の後に、いんげんを噛むとほんのり醤油味。
米茄子の鶏味噌かけ
素材の持つ力は、シンプルな調理でこそ引き出される。
季節の瑞々しい茄子を素揚げして、しっとりとした肉味噌でいただきます。
噛めば夏の味が染み出します。
1人分エネルギー 155kcal 塩分2.2g
テキストNO.192 P100
材料(2人分)
米茄子…1本
<鶏味噌>
鶏ささみ…2本(100g)
赤味噌…60g
砂糖…大さじ3と1/2
酒…大さじ2
木の芽…2枚
揚げ油…適量
1. 米茄子は、縦半分に切って、切った面に綾の包丁目を入れる。
2. 170℃の揚げ油に、茄子の皮目を下にして入れて揚げる。30秒後に返して、包丁目を色よく揚げる。
3. 油をしっかりきった茄子を器に盛り、鶏味噌をかけ、木の芽を添える。
<鶏味噌の作り方>
1. ささみの筋を取って、包丁で細かくよく叩く。
2. 小鍋に味噌と砂糖と酒半量を合わせて木べらで混ぜ、なじんだら強火で練る。
3. 照りが出てきたら、残りの酒を加え、再び照りが出たら鍋を火から下ろしてささみを加えて、ほぐし混ぜる。
4. 再び小鍋を火にかけて鶏肉に火が入るまで練る
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<綾の包丁目>
細長いひし形ができるように切り込みを入れることを言います。茄子の皮に包丁の先が当たるまで深く入れてください。食べやすく美しく仕上がります。 -
<鶏ささみを叩く>
鶏ささみは、細かくなるまで叩き、火加減に気をつけながら火を入れることで柔らかくしっとりと仕上がります。
鰹とキャベツの酒盗和え
酒の肴にもぴったり。
さっぱりとした味わいの鰹に食感の良いキャベツを香り良い和え衣で。
ゆっくり噛んでください。
1人分エネルギー 155kcal 塩分2.2g
テキストNO.192 P101
材料(2人分)
キャベツの葉…2枚
カツオ…1/2サク(150g)
<和え衣>
酒盗…大さじ1と1/2
みりん…小さじ2
醤油…小さじ1と1/2
くるみ…10g
1. カツオは7~8mm幅の刺身にして、醤油大さじ1/2(分量外)を絡めて下味をつける。キャベツは固い芯を切り取る。
2. 鍋に湯を沸かし、塩をひとつまみ(分量外)入れ、キャベツが少し透明になってしんなりするまでさっと茹で、ざるに上げて粗熱をとって食べやすい大きさに切る。
3. キャベツとカツオを交互に重ねて器に盛り、食べる直前に和え衣をかける。
※自分で和え衣を絡めながらいただきます。
<和え衣の作り方>
1. くるみはフライパンで空煎りして、刻む。酒盗は、包丁で細かく叩く。
2. 小鍋にみりんを入れて煮立て、酒盗、醤油、くるみを入れて、すぐに火を止め、そのまま冷ます。
※火にかけすぎると酒盗が縮んでしまいます。
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<キャベツを茹でる>
塩を入れて茹でるとキャベツの色と甘味が引き出されます。時間で言えば10秒くらい。長く茹でていると食感がなくなってしまいます。歯ごたえを残すのがポイント。
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<噛みごたえを作る>
いろいろな食感を取り入れることで、食べ飽きないおいしさが生まれます。そこでくるみのような別の食感を持つものを加えて、楽しみを増やすのもいいですよ。
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