DIARY
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D日記 #241 オプアワーフ/ニュージーランド
番組でご紹介したRタッカートンプソン号。
伝統的なデザインで見た目は大変美しいのですが、モダンな船と違って日頃のメンテナンスは大変です。
こちらがメンテナンス担当のランギさん。
彼自身も熱心なセーラーで、なおかつボートビルダーでもあり、船のことは知り尽くしています。
ここに来る前はオークランドの海洋博物館で6年間、別の伝統的スタイルの船を担当していました。新しいものよりも古い形のものが好きなのは、母親がアメリカ人で、木造船フェスティバルの開催地であるポートタウンゼントで育ったことが影響しているそうです。
ロケハンで訪ねた日にやっていたのはライン(ロープ)の交換。
ランギさんはすいすい登って、あっという間に新しいラインを取り付けていましたが、マストの高さは20メートル近くあって、見ている方が怖い。
ガフ・リグのスクエアトップセイルスクーナーという形のRタッカートンプソン号は最大で9枚のセイルを張ることができます。そのため主要なラインだけでも総延長1000メートルぐらいに達するというから驚きです。細いものまで入れたらその数倍はあるらしく、ラインの交換は頻繁に行う作業だというのも納得です。
また、パーツの多くがこの船独自のものなので、既製品は存在しません。
例えば、これは滑車になる木製のパーツ。
これだけで工芸品になりそうなものなのですが、ランギさんが自分で木を削るところから手作りしているそうです。
好きこそものの上手なれと言いますが、ランギさんの多才さに驚かされました。