羽鳥慎一50の質問

番組を進行する羽鳥が、“時の人”に立て続けに50の質問を行い、 質問に答えて頂くなかで浮かび上がるゲストの方の性格やセンス、内面に迫るコーナーです。

24・10・23

北口榛花選手

北口榛花 さん

北口榛花選手

今回のゲストは、パリオリンピック やり投げで金メダルを獲得した
北口榛花選手。
やりを巡る驚きのルールや話題となった“もぐもぐタイム”の秘密など
オリンピックの舞台裏と「逆転の北口」と呼ばれる強さの秘密をたっぷり聞きました

■笑顔満開! 歴史を変えた金メダル!

羽鳥「北口選手です、よろしくお願いします」
北口「よろしくお願いします」
羽鳥「お忙しいところ、ありがとうございます」
北口「ありがとうございます」
羽鳥「やりましたね」
北口「はい」

羽鳥「(質問1)パリオリンピックを振り返ってみて、どうでしたか?」
北口「本当に金メダルとったんだなって、何回も思います」
羽鳥「思いましたか、いい笑顔ですね」
北口「ありがとうございます」
羽鳥「最高の笑顔です」

羽鳥「金メダリストしか鳴らせない鐘があるって知らなかったんですよ」
北口「なんか鳴らせて楽しかったです」
羽鳥「(質問2)回数に制限は?」
北口「ないんです」
羽鳥「いっぱい鳴らしていましたね」
北口「はい。結構、欲張って」
羽鳥「やりましたね、最高でした」
北口「はい」

■オリンピック舞台裏 (驚)ルール 「誰のやりでも使用OK」

羽鳥「(質問3)持ってきていただいたやりは?」
北口「オリンピックでは投げてないんですけど、種類は一緒ですね オリンピックと」
羽鳥「(質問4)ちょっと持たせていただいてもいいですか?」
北口「はい」
羽鳥「(質問5)軽い。やりの重さは?」
北口「お徳用のペットボトルと同じ600グラム」
羽鳥「お徳用のペットボトルって表現はいいですね。ちょっと得なやつですよね」
北口「500mlよりちょっと大きいやつ」

羽鳥「(質問6)照英さんってご存じですか?」
北口「はい、知ってます」
羽鳥「なぜかうちの番組は解説者に照英さんを。でもすごく勉強になった」

やり投げで国体出場の経験がある俳優・照英。やりについて熱く解説していた。

照英「誰かが誰かの(やり)を使っても文句は言えない。持っていかれたら、借りられた人間はちょっとイラッとしますという話なんですけど」

実際にパリオリンピックで、自分のやりをポーランドの選手に持っていかれた北口。
“ちょっとちょっと”と呼び止め、やりをとり返す場面も。

羽鳥「誰の(やり)を使ってもいいというすごいルールがある」
北口「そうです」
羽鳥「(質問7)誰のやりでも使っていいというルールはどう思われるんですか?」
北口「最近は私も自分のやりを持っていくようになったんですけど。それまでは、私も結構借りてる側だったので。自分は滑り止めで炭酸マグネシウムの粉を使うんですけど、松ヤニとかノリとか使う方もいて、違う滑り止めがつくとやりを投げづらくなる」

羽鳥「(質問8)自分が使いたいやりを誰かが持っていった場合は?」
北口「競技役員の人に『あの人と同じやり投げたいから待っててもらっていいですか?』って言えるんですよ」
羽鳥「待てるんですね」
北口「はい。なので待っていれば届けてくれるので」
羽鳥「(質問9)じぁあ、待っていることもあるんですか?」
北口「はい、あります」

羽鳥「(質問10)ちょっとやりをキープしてませんでしたか?」
北口「あっ、キープしてました」
羽鳥「してましたよね!はい」
北口「試合によってはキープさせてもらえないときもあるんですよ。パリオリンピックは結構比較的早めに取っても怒られなかったので」

■65m80のビッグスローで金! どこを見て投げた?

羽鳥「65m80。これぐらいなんですって測ると」
北口「へー」
羽鳥「(質問11)滞空時間を見ていたら、もっと遠くなのかなと思ったんですけど?」
北口「自分のやりがふんわりふぁ~って飛んでいくやりなので、その滞空時間と距離があんまり一致してないかもしれないです」

羽鳥「(質問12)自分の投げ方の特徴は?」
北口「(足を)右左って着いて投げるんですけど、左足を着いたときもあまり腕の位置が変わらないのが、自分の特徴です。より、やりに長く力を加えられる投げ方をしてます」

羽鳥「(質問13)あそこを見て投げようって決めていましたか?」
北口「そうですね。スクリーンがあったら、上の角とか下の角とかそういうふうに決めます」
羽鳥「(質問14)65m投げたときはスクリーンのどこを目指していましたか?」
北口「右下の角だったと思います」
羽鳥「右下の角狙って投げた」


■“もぐもぐタイム”が話題に! 裏話「水分持っていかれる」

羽鳥「想定していたと思いますけど、カステラを用意しました」
北口「そうですよね」
羽鳥「象徴的な場面だったんで」

羽鳥「(質問15)カステラで水分を持っていかれるんじゃないかなって思っていたんですけど、実際どうなんですか?」
北口「口の水分、持ってかれます。なので試合のときはスポーツドリンクをたくさん持っていくんですけど、その中に必ず1本、カステラ用のお水を持って行きます」

羽鳥「(質問16)なんでカステラなんですか?」
北口「競技場に持って行けそうなお菓子で、甘くて好きなものがカステラだったので。最初の試合で日本記録を投げて、それから縁起がいいなと思ってゲン担ぎ」
羽鳥「ゲン担ぎなんですね」
北口「はい」

羽鳥「(質問17)あのスタイルで食べていただけるとうれしいですけども、いかがでしょうか?」
北口「やりますか」
羽鳥「本当申し訳ない」
北口「失礼します」
羽鳥「いや、こちらが失礼します」

羽鳥「(質問18)この体勢になるときに、腰とか背中とか肩とか気にするところはあるんですか?」
北口「頭が下がらないように顔を上げて、こういう姿勢で食べるって感じ」
羽鳥「うわ~」
北口「試合会場も椅子が用意されているんですけど、寝っ転がっていた方がおなかも伸びて良いストレッチになるのでこういうふうになりました」

羽鳥「(質問19)(食べているときは)何を見ていたんですか?」
北口「ただ最初はぼ~っとしてたんですけど、大会のカメラがずっと私の周りをぐるぐる回り始めて。ただただ食べているだけなのに、こんなところ撮らなくてもと思いながら」
羽鳥「そんなところを今、撮ろうとしてます」
北口「はい」

羽鳥「(質問20)結果どうですか?今、水分は持っていかれているのか 持っていかれてないのか?」
北口「持っていかれてます」
羽鳥「水分補給です」
北口「すみません ありがとうございます。こんなところでこんなことするとは思ってなかったです」
羽鳥「ありがとうございます。OKです。すみません」

■試合前日は眠れず? オリンピック舞台裏

羽鳥「(質問21)朝型ですか?夜型ですか?」
北口「夜型なのかな」
羽鳥「(質問22)大会のプレッシャーは好きですか?嫌いですか?」
北口「好きです」
羽鳥「(質問23)試合前は音楽を聴く派ですか?無音で集中する派?」
北口「アップのとき聞いています」
羽鳥「(質問24)目標は高く設定しますか?現実的に設定してそれを目指す?」
北口「結構、現実主義だと思います」
羽鳥「(質問25)行けるなら過去と未来、どっち?」
北口「未来」
羽鳥「(質問26)大事な大会の前の日は眠れますか?寝るのに時間がかかりますか?」
北口「時と場合によります。今回のオリンピック前とか、寝ようと思ってアイマスクして寝てるんですけど、自分が試合している風景がすごく頭に回想されて。それでドキドキしちゃって寝れない」
羽鳥「(質問27)オリンピックは眠れなかった?」
北口「アドレナリンみたいなのが出ちゃって」

競技で使用するやりの長さは、およそ2m20cm。分解が出来ず、普段は筒に入れて持ち運ぶ。

羽鳥「(質問28)運ぶときの苦労って、どういうものなのかなと?」
北口「エスカレーターが下がっていってるけど、天井(の高さ)は変わらないパターンがあったりして、エスカレーターで(やりを)折っている人も多いです。結構、いい値段するんですよ」
羽鳥「(質問29)いくらぐらいするんですか?」
北口「17万くらいはするんじゃないんですか」
羽鳥「そりゃ一線で使うやつはそれぐらいしますよね」

■オリンピック裏話 強さの秘密 “特注椅子”“チェコ修業”

羽鳥「(質問30)話題になった椅子ですけども、座っていただいていいですか?」
北口「はい」
羽鳥「ちょっと角度がついていて」
北口「ピッてしてます」
羽鳥「ピッてしてますね、背中がピってしてますね。本当だ」

特注の椅子は座面が18度 前に傾いていることで骨盤が後ろに傾くのを防ぎ、猫背も改善するという。
イスはパリでも活躍。普段から姿勢が崩れないよう意識している。

羽鳥「(質問31)ちょっと私も座らせていただいてもいいですか?」
北口「ぜひ、座って見てください」
羽鳥「ん~、私は今ですね、みなさんが思ってるより、前に行くのを我慢しています。これずっと座っていると、ももがパンパンになりますね 私は」
羽鳥「(質問32)北口さんはももがパンパンにはならないということですね?」
北口「はい、ないです」
羽鳥「(質問33)競技場内は椅子を持っていっていないですもんね?」
北口「そうです。競技場内は(持ち込みが)いいのか分からなくて」
羽鳥「(質問34)(持って行って)コラッて言われる場合があるかもしれない?」
北口「そうですね」
羽鳥「(質問35)だからあの体勢で、おなか伸ばしたりっていうことだったんですね?」
北口「はい」

大学時代からは“やり投げ大国”チェコを練習拠点に。
基礎トレーニングを積み直し、ビッグスローに磨きをかけた。

羽鳥「(質問36)チェコには、なんで行こうと思ったんですか?」
北口「世界記録保持者が男女ともにチェコ人なので、一番飛ばしている国で教わるのが一番飛ばせるようになるんじゃないかなって思って」
羽鳥「(質問37)シンプルな理由ですよね?」
北口「そうですよね」
羽鳥「強いところに行って強くなるっていう」
北口「はい」

羽鳥「(質問38)好きなチェコ料理って何ですか?」
北口「バーボフカっていう焼き菓子があって。カステラみたいな感じなんですけど」
羽鳥「(質問39)やっぱりカステラなんですね?」
北口「でも、そっちの方が水分持っていかれる」
羽鳥「また持っていかれる。しょっちゅう持っていかれる」
北口「ぱさぱさなんですけど 外がかりかりでおいしい」

■最後の一投で逆転優勝できるワケ 10年後の自分は…

これまで幾度となく最後の6投目で逆転優勝を果たしてきた北口。
9月に開催された世界のトップ選手だけで争うダイヤモンドリーグ ファイナルでも、6投目で66m13を叩き出し2連覇を成し遂げた。

羽鳥「(質問40)土壇場で逆転出来る理由は?」
北口「一応、1投目から修正点が出て、2投目修正して3投目ってやっていくので、考えに考え抜いた一番いいものが6投目に出やすいのかな。あとは、突然負けたくなくなる」
羽鳥「(質問41)負けたくなくなる?」
北口「負けたくないなって思って、突然、集中し始めるのかなって」
羽鳥「(質問42)(記録は)どこまで行きますか?」
北口「70m投げたいです」
羽鳥「すごいですね」
北口「うふふ」

羽鳥「(質問433)10年後 どうなっていたいですか?」
北口「8年後のオリンピックまでは、絶対頑張りたいと思ってるんですけど。今のところ、やっぱり日本のやり投げ選手と言えば北口榛花だっていう自分のブランドみたいな。世界記録とか目指せる位置に行けば
おのずと世界中のみなさんが注目してもらえる選手になるんじゃないかなって思ってます」