過去の放送

2020年5月17日(日)放送

番組概要

船越英一郎、
《火災調査官》から《家栽の人》に!?
人間を愛し、植物を慈しむ
変わり者の家裁判事を熱演!

「みなさんの心にやさしさの種を植えたい…」
2020年、感動の名作が
スペシャルドラマとなってよみがえる!

今だからこそ…! 船越英一郎主演で、不朽の名作が復活する…!!

 小学館『ビッグコミックオリジナル』で1987年から1996年まで約9年間にわたって連載され、全15巻の単行本が刊行された、『家栽の人』(作・毛利甚八/画・魚戸おさむ)。
 連載終了から20年以上経た今もなお、“人間の本質を描く名作”と語り継がれる、この『家栽の人』を船越英一郎を主演に迎え、ドラマ化! 2020年――あらゆる人の心に響く、感動の物語をお届けします…!

植物を愛し人間に寄り添う、信念の家裁判事・桑田義雄が問いかけるものとは!?

 この作品の主人公・桑田義雄は、前崎家庭裁判所の判事。“家事審判”では関係のこじれてしまった家族や夫婦に“かつての自分たちを思い出すことの大切さ”を語り、“少年審判”ではただ断罪するのではなく、“どうすれば少年が立ち直るのか”を真摯に考え、彼らを見守り、育てようとします。
 今、モバイル機器やSNSの普及によって、世の中は人と人とがたやすく繋がり、逆にいえば簡単に関係が途切れてしまいがちな社会となりました。不特定多数がSNSを使って誰かの罪を追及するケースも増え、失敗を断罪する量もスピードも刻々と加速しています。混沌とした今の時代だからこそ、人に寄り添い、人を愛しみ育てようとする桑田判事という存在が訴えかけるものは大きいのではないでしょうか…!

植物も人間も“愛”と“育てる時間”が大切…。“栽”の字に込められた思い!

 タイトル『家栽の人』の“栽”の字は、植物好きの主人公・桑田判事を象徴したものといわれていますが、彼の信念――道を誤った少年たちを“愛しみ育てる姿勢”をも表しているのではないでしょうか。
 家庭裁判所では事件を起こした少年に対して必要により審判を行い、犯した罪に対して見合う処置が決められます。もちろん少年の更生も考慮されますが、主体はあくまでも処置です。しかし、桑田判事の判断基準は“どうしたら少年が立ち直ることができるか”という一点に凝縮されています。少年のためにできることは何かと知恵を絞り、周囲の人々を動かしていく桑田判事の姿勢を重ねて、タイトルに“栽”の字があてられたのではないでしょうか。
 植物は簡単に花が咲き、実がなるものではありません。時間をかけて、大切に慈しみ育てることが大切です。そして、厳しい環境でも根を張ることができれば、たくましく生きていける――。それはきっと、人間も同じではないか…。そんな信念を抱き、心に傷を抱える人々にやさしく手を差し伸べる桑田判事の姿に、多くの視聴者が希望を見出すことでしょう…!

船越英一郎、“火災”から“家栽”に転身!?人々の心にやさしさの種を植える感動ドラマ!!

 連載当初から原作の大ファンだったという船越は「お話をいただいたときは、本当にうれしかった!」と開口一番、喜びをさく裂させ、「いつかこの作品をやりたい…。そんなかすかな思いが自分の中に“種”のようにずっとあったのですが、今回、その種をようやく芽吹かせてもらった気がします」と念願の作品に主演できたことへの感謝を語りました。
 また、船越は「本作は見ていただいた方々の心の中に“やさしさ”という種を植えるような、ヒューマンサスペンス。暗いニュースが多い今だからこそ、人間の原風景みたいなものをじんわりと感じていただけるドラマになれば…」と今、名作を復活させる意義を強調。
 さらに、自身の主演ミステリーシリーズ『火災調査官』と引っかけて、「字は違いますが、“カサイ”という呼び方は一緒なので、深いご縁を感じざるを得ないです(笑)」と、この作品との不思議なつながりをアピール。「『火災調査官』では灰の中から真実を見つけてきましたが、この作品では人間の奥に潜む真実を見つけ、その心に“善”という名の種を植え、育てていきます! ぜひ多くのみなさんにご覧いただきたいです」と、力強いメッセージを寄せています。

 船越のほか、足立梨花、佐藤仁美、堀井新太、山中崇、森下能幸、角野卓造ら個性あふれるキャストが、家庭裁判所のメンバーとして登場。また、『鈍色の箱の中で』(テレビ朝日)などで躍進目覚ましい若手・望月歩が、殺人事件の容疑者となった少年を繊細に演じます。さらに、新山千春、西岡德馬ら百戦錬磨のベテラン勢も名を連ねています。
 いがみ合う家族、道を誤った少年たち、そしてさまざまな苦しみを抱える現代人に、大切なことを思い出させてくれるヒューマンドラマ『家栽の人』――。ぜひ放送にご期待ください!

あらすじ

 東京から新幹線で1時間ほどの地方都市にある、前崎家庭裁判所――。ここへ新任判事としてやってきたのは、東京への転任を断った、つまり“出世の道を蹴った変わり者”という噂の桑田義雄(船越英一郎)だった。
 なんと桑田は着任当日、大きな植木を背負って現れ、司法修習生の樋口日向子(足立梨花)や調査員たちの度肝を抜く。桑田によれば、たまたま庭の植木を伐採中だった家の前を通りかかり、木のことがかわいそうに思えて譲り受けてきたという。
 さっそく所内にある小さな庭に、その木を植えはじめた桑田に、一同はぼう然。しかも調停では判事らしからぬ発言ばかりを繰り出し、調査員も調停員もペースを乱されていく。
 そんな中、地元の名士・佐々木建造(西岡德馬)が殺害される事件が起き、19歳の少年・立花晃(望月歩)が自首、前崎家裁に送致されてきた。実は、晃は1年ほど前、暴行事件を起こして家裁で審理が行われたことがあったのだが、戸張調査官(山中崇)が彼の本質を信じ「更生の意思あり」としたため、不処分の決定が出ていた少年だった。期待を裏切られた思いの戸張は今回こそ厳しく調査すると意気込むが、池上所長(角野卓造)が岡本調査官(佐藤仁美)を指名したため、家裁に不協和音が生まれはじめる。
 晃は遊ぶ金ほしさに佐々木の家に押し入り、もみ合った末に殺害したことを認めるが、桑田は“侵入の際、佐々木家の庭にあったビワの木の枝を折った”という彼の証言に疑問を抱き…!?