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7月2日 プレイバック・報道ステーション企画その2
2009年7月10日放送 『藤木麻祐子 集大成』

日々の忙しさにかまけて、作ってきた報道ステーションの特集を、こちらにアップすることを怠っておりました。これまた1年前の出来事になります。
ローマで行われた世界水泳のシンクロナイズドスイミングで、スペインの藤木麻祐子コーチが勝負に出ていました。

北京五輪が終わった後の世界のランキングは、1位ロシア、2位スペイン、3位中国です。
頂点を目指したい気持ちが、どこよりも強いスペイン。
日本人コーチの藤木麻祐子さんにとっても、ひとつの正念場となります。

7月10日に放送された報道ステーションをまとめました。

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プレイバック・報道ステーション企画その2
2009年7月10日放送 『藤木麻祐子 集大成』

ここ数年で急成長をし、北京オリンピックで銀メダルを獲得したスペイン。
スペインチームのコーチとして藤木麻祐子さんが果たした役割は少なくありません。


‘08 北京五輪 2位 スペインチーム


藤木麻祐子コーチ

いまやスペインでは、コマーシャルにシンクロが使われるなど、誰もが知るメジャーなスポーツになってきました。
そのスペインが藤木コーチとともに、世界水泳ローマでさらに一歩上を目指します。


スペインナショナルチーム 藤木麻祐子コーチ

藤木:「より上に、よりスペインとしてロシアを抜くのに一番近い、今がチャンスの時期なので、ずっと見てきた中での集大成というか。」



宮嶋泰子

宮嶋泰子:「今回ほど世界水泳のトップ争いが面白いときはちょっとないかもしれません。
ずっと王座にいるロシア、それを引きづり下ろそうとするスペイン、どんな作戦で来るのか、まずはスペインに潜入しました。」

オリンピックの後、メンバーががらりと変わる国が多い中、スペインではベテランが健在でした。



ジゼラ・33歳

ジェマ・メングアル 32歳

ジゼラ:「若返りの秘薬を飲んでるのよ」

メングアル:「まだ挑戦したい目標もあるし」

シンクロ界では、普通25.6歳で、引退するのが通例ですが、ここには、30代で世界一を目指す選手たちがいるのです。

藤木:「体力的にしんどいだけの練習ではなく、その中に自分たちの人生も含め楽しめる環境がシンクロの中にスペインではあるので、毎年終わるたびにもう一回続けようと思うんじゃないでしょうか。」


 

スペインでは、選手たち同士が相談して演技を作っていきます。
ヘッドコーチのアナ・タレスさんは独特の芸術的センスでアドバイスをしながら、感情表現のあるシンクロを追及していきます。

アーティスティックな面を追及するあまり、テクニック面がおろそかにならないように、チェックをするのが、藤木さんの役目です。

「恐怖の館」をテーマとした今回の作品は、見るものの心を不思議な世界に誘い込みます。



 

6月19日に行われたバルセロナ招待大会では、今シーズンの新しい演技がお披露目されました。テーマは「恐怖の館」。摩訶不思議な世界が水上に繰り広げられます。

スポーツとしてのシンクロに欠かせない「テクニック面」を徹底的に強化したことで、スペインチームは、国際大会で徐々に順位を上げ、今年、世界水泳でトップの座を狙うところまできたのです。


 








 


2003年、バルセロナ郊外にあるこのナショナルトレーニングセンターに藤木麻祐子さんがやってきてから、今年で7シーズン目。
かつて藤木さんはこんなことを言っていました。

「9時から泳ぐからって言われたら、誰も9時にプールにいないし、9時にプールに向かう気持ちで、車を運転していればいいって言う感覚だったので」

それが、今はどうでしょう。若手が30分前に来て、音楽やモニター機材の準備をし、
ベテランも15分前にはプールに姿を見せているのです。


 

スペインチームは、ロシアを破る日を夢見て、あらゆることを取り入れてきました。

水球選手たちの練習からヒントを得た、服を着て付加をかけての水中練習。

インナーマッスルを鍛えるトレーニング



 

前例のない厳しいトレーニングを、選手たちは積極的にこなしていったのです。

トップ選手の強化とともに、藤木コーチにはもうひとつの大切な仕事がありました。
ジュニアの指導です。

朝誰よりも早くプールに来て、そして最後にプールを出る生活でした。


 


その成果が実り、ジュニアのときから藤木コーチが育てた選手が、今シーズンからレギュラーメンバーに入りました。

「でもねやっぱりね、すごく自分が落ち込んだときとかって、帰りたいなと思うときもあるんですけれど・・」



 

「ハッピーバースデー」
藤木さんはバルセロナで7度目の誕生日を迎えました。
言葉もわからず話し相手もいなかった頃が、今では遠い思い出です。

同じプールで指導をしている競泳のカルロス・コーチは、そんな藤木さんをじっと見守ってくれていました。

カルロス:「北京オリンピックの後、個人的におめでとうと言葉をかけました。スペインチームの成功の大部分は彼女のおかげだからです。」


 

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