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8月14日 北京五輪をより楽しむために Part4
〜国境を越える日本女性たちの闘い〜

日本がオリンピックでメダルをとり続けているスポーツといえば、シンクロナイズドスイミングがあげられます。1984年のロサンゼルス五輪で正式種目に採用されてからメダルを獲るのが当たり前の競技と思われてきました。しかし、そのロス五輪からメダルを獲ってきた選手を教えてきたコーチ、井村雅代さんが北京五輪では中国コーチとなってしまったために、いまや日本は大ピンチ!しかも、日本人コーチ藤木麻祐子コーチがスペインを教え、いまやトップ3に名を連ねるようになってきています。さあ、いったいシンクロのメダルの行方はどうなるのか。4月に行われたプレ五輪を中心に取材し、5月に報道ステーションで放送した内容をここで紹介いたします。
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宮嶋泰子

宮嶋:「北京オリンピックの水泳会場 水立方ウォーターキューブです。ここで行われるシンクロナイズドスイミングは大激戦になりそうです。その台風の目はスペインと中国。」


まだオリンピックでメダルを取ったことないスペインチーム。
北京にかける思いにはどこよりも強いものがあります。


 

オリンピック用のフリールーティーンプログラム 「アフリカ」は二年前から作られてきました。

日本人コーチの藤木麻祐子さんもこの作品を作るための技術サポートをしてきました。

 


藤木麻祐子コーチ


去年3月のメルボルン世界水泳で初めて披露された演技「アフリカ」はサプライズの連続でした。
芸術点で10点満点が出て銀メダルを獲得。

さらには去年10月、芸術点でのみ競うワールドトロフィーで10年間無敗のロシアチームを破って、優勝を手にしたのです。



今年に入ってからも、3月のヨーロッパ選手権でメングアルがロシアのイシェンコを破って初めての優勝を手にするなど、スペインの勢いは留まるところを知りません。

 

スペイン国内でのシンクロの人気もうなぎのぼり。
4年前のアテネでは4位に終わっているだけに、選手たちは8月の北京に照準をぴたりと合わせています。

ジェマ:「メダルを取るために出来ることは全てやっているわ」


ジェマ・メングアル


アンドレア:「銀メダル二つほしいな」


アンドレア・フェンテス

ラケル:「金メダルを狙うわよ」



ラケル・コラル 

藤木:「みんなで目標にしてきたロシアに近づくというのと、デュエットではロシアを抜きたいというのがあるんですが、私はやっぱりその。自分が日本人としてとった銅メダルよりよいものを取ってくれたらすごくうれしいし」


宮嶋:「スペインは今年に入ってからその基本練習をがらりと変えました。」


これまではおしゃべりをしながら廊下の隅で思い思いにウォーミングアップをしていたのですが、今年からは専門の指導者が付くようになりました。

不安定な水の中で強い力を発揮できるようにと、体のコアを鍛えるトレーニングや、柔軟体操などが、毎日、90分行われます。
とにかくみんなの目が真剣です。

 
 

もちろん水の中での筋力強化も忘れていません。
スペインらしさを強調するために、テクニカルルーティーンの曲探しにもチーム全員で当たりました。

「みんなに気に入られて、しかも一回で見てすぐにわかってという曲を探していて。」

選んだのはアニメーション映画ハッピーフィートの中の「ブギーワンダーランド」。
オリンピックでは荘厳な曲を使う国が多い中、あえて、軽快な曲を選びました。


平均年齢28歳のベテランたちが自分たちで振り付けを考え、のりのりのダンスを展開していきます。

狭い間隔で激しい動きが続き、選手同士の接触は当たり前。
この日も最年長32歳のジゼラが隣の選手と接触して、目の下を切ってしまいました。

 

脚の技術力もかなり安定してきたようです。
突然、アナ・タレス監督が叫び始めました。

アナ:「大切な脚の動きが出来なければ、メダルは日本に持っていかれるわよ。それでいいの?」



アナ・タレス スペインチーム監督 

藤木さんが、王者ロシアと真っ向勝負をさせたいというデュエット。
今年からメングアルのパートナーはアンドレア・フェンテスひとりになりました。



ジェマ・メングアル    アンドレア・フェンテス 

スペインが長い間、追求してきた不思議な世界が繰り広げられます。

ジェマ:「音楽がとっても変わっているでしょう。」

アンドレア:「奇妙な夢を見ることってあるじゃない。おかしな抽象的な夢。そんなものを表現したい。」

  
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