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11月5日 渋井陽子と土佐礼子 その強さの裏にあるもの


<鈴木監督の超管理術>

世界に挑む土佐礼子選手と渋井陽子選手の二人を抱える三井住友海上陸上部の鈴木秀夫監督は、これまでの常識を覆す一風変わった指導方針を持っています。

宮嶋「他の陸上チームはボーイフレンドを作っちゃいけないなど、監督が厳しく言っているところがあるみたいなんですけれど、このチームはどうなんでしょう。」

土佐「プライベートはプライベートなので、どうでもいいみたいですが、結婚はまだ駄目みたいです。」

宮嶋「渋井さんは何か言われていますか。」

渋井「そんな、男のことで言われ始めたら、マジ私はやめますよ。言わせません。」
(このインタビューの一週間ほど前に写真誌にデート中を激写された渋井さんは毅然と答えてくれました。)

宮嶋「それは結果を出して、言わせないということですか?」

渋井「そうですね。遊んでる分、しっかりやることはやろうと思っています。」

宮嶋「凄い意思を感じますね!」

土佐「はははは!説得力あるね。(笑い)」

渋井「(笑い)気合が入っちゃったかな。」

宮嶋「そういうことを認める監督が凄いと思うんですけれど。」

渋井「そうですね、最近口に出しすぎかなと思うこともあるんですけれど、許してくれるんで、ほかの監督はそうはいかないですかね。」

宮嶋「なかなか難しいですよ。」

渋井「恵まれているのかね。」

日本のスポーツ界では、女性選手が競技に集中するためには男子との交際はご法度というのが常識でした。過去さまざまな競技の男性コーチのお話を聞いてきましたが、その多くは、「女子選手が男性と交際し始めると、コーチの言うことを聞かなくなるので、交際は禁止」と言うものでした。そんな日本のスポーツ界の常識を破る超管理法をとる鈴木監督はどのように考えているのでしょうか。

宮嶋「選手たちにボーイフレンドのお話はどのようにおっしゃっているのですか。」

鈴木監督「遊んでもいいけど、遊ばれちゃいけないよっていっています。(笑い)
二十歳過ぎたら、周りも同じ年代で結婚していますから、そういうことを考えたら、当然彼氏がいて普通だと思いますし、競技やっているからぜんぜんだめということはないですね。やっぱりそこにけじめとかやるときはやるという姿勢があれば、何も言うことはないですね。」

宮嶋「でも今までの監督は男子禁制という方が多かったですし、管理する立場からすると、なかなか難しい点があるんじゃないですか?」

鈴木監督「でも普通に話をしますからね。別にだれだれと、名前は言わないんですけれど、自然に耳に入ってきますから、だから隠さないでちょうどいいんじゃないですか。変に裏でこそこそしているよりは、はっきり言えるほうが本人たちもすっきりしていいんじゃないですか。こそこそ隠れて会うというのはないですから、うちの場合は。自分のプライベートな時間は自分たちの好きなように過ごしなさいというのが自分の指導方針ですから、自分はなんとも思っていません。(笑)。」

なかなか鷹揚なところを見せる鈴木監督ですが、この他にも独特の「鈴木マジック」があるのです。

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