前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー
 
 
9月11日 シンクロデュエットのお二人にロングインタビューです


去年の夏、福岡で行われた世界水泳。ここで日本のデュエットはシンクロ界悲願の優勝を飾りました。あのときのパントマイムの演技は単なる競技という枠を越えて、素晴らしいエンターテイメントパフォーマンスでもありました。きっとあの演技は一生忘れないだろうなと、私自身も思っています。
その二人が、今は9月中旬にチューリッヒで行われるワールドカップで、再びあの若いロシアデュエットと戦います。

そこで、今日はデュエットの立花美哉選手と、武田美保選手にこの一年の思いや、
これからのことについてじっくりと話を聞いてみました。
これは9月4日にニュースステーションで放送した番組でインタビューをしたものです。
トータル8ページにわたるロングインタビューです。

 

それではまずは武田美保選手にうかがってみましょう。

宮嶋:武田さんもうすぐお誕生日ですね。

武田:はい、26になります。

宮嶋:ここまでシンクロつづけると思っていましたか?

武田:いいえ思っていませんでした。本当にここまでは。もうすぐ20年ですね。

宮嶋:世界選手権の後、シンクロに別れを告げるのかなと思ったのですが実際はどうだったんですか?

武田:悩みましたね。コーチとお話をしたんですけれど、いろんな選択肢があったんですが、やめてもみんなは手をたたいて送り出してくれるだろうし、やるって言ってもみんな応援してくれるだろうから、どっちにしろ選択の余地があって、いろんなことを考えて結論を出しなさいというお話だったんですが、結構迷いました。
終わってもいいような気もしたんです。でも、初めてチャンピオンになって、世界選手権の余韻が、デュエットとして機能できた大会だったとおもうんですよ。シドニーのときも和と洋の融合みたいな音であわせて、持ち味をあわせてみたいな感じだったんですけれど、そこまで自分が到達できていなくて、パントマイムのときは私の得意なカチカチした動きが、ここのところは私ができるから、私が目立とう、足のところは立花さんがスケール感があるから、それにくらいついていこうという、役割分担があったようなきがしたんですね。その感覚がわかった上で来年やったらどんなものができるんだろうと知りたかったんですね。

宮嶋:ということは世界チャンピオンになってデュエットとしての自分に手ごたえを感じたということですか。

武田:そうですね。手ごたえ、それが手ごたえというならそうでしょうね。

宮嶋:世界チャンピオンになると、おなかいっぱいになってしまうというか満足してしまうということもあると思いますが、その点ではいかがでしたか。

武田:満足はなかったですね。すごくうれしかったんですが、これでいいやという気持ちはなくて、もし続けてチャンピオンとしてこれから見られていくわけじゃないですか、どう見ていくんだろう、体力的には続けられそうなきがしたんですよ。
いくらきつい練習をしてもトレーナーの人に見てもらいながら、故障もなく来たんで、その体力的なことは気にせずにやっていけるかな、後は自分のそういう気持ち次第だなと思いました。

宮嶋:でも決断するにあたって、うまくいけばこうなるだろうし、失敗すればこうなってしまうしという両面がありますよね。それはかなり悩まれましたか。

武田:マイナス思考っていうか、負けたらどうしようではなく、新しい提案を去年できたんで、それを突き詰めていって、私たちが新しいものを見せていったら、それが基準になるって言うか、そういう気持ちでやっていこうかという話だったんで

宮嶋:世界のシンクロの新しい・・・

武田:基準を日本が出していくっていう。
前はアメリカが強いときは、シンクロいかにもって言う感じが主流で、クリアーさとか、正確さとかで点数が出たじゃないですか。ロシアが今トップになってきて、どこから手が出てくるかわからないというようなスピード感とかが主流になってきましたよね。今度、日本が次新しいものを出していったら、それが主流になって点数が出て行くんじゃないかという、そういう挑戦というか。

宮嶋:日本の新しい基準、どんなものですか。表現するの難しいかな?

武田:(笑い) 難しいですね…でも、技術とかは、細かいあわせ方とかは正確さは持ち味だとおもうんですけれど、そればかりにかたよらず、表現力にも挑戦したんで、それをうまく両方ともできる、スピードもできるというオールマイティーな感じ。何でも出来てこそトップって言う感じかな。

宮嶋:そうか、それが原動力になったんですね。

武田:なにができるかな、って言うのが楽しみやった。何を出したら、みんなが今度こそ本当の…福岡だったから日本が一位になったとは言わせたくないというか、今年ヨーロッパで試合がありますけれど、どこの国に行っても日本はチャンピオンやな、あたらしいものみせたいなという楽しみはありました。

宮嶋:楽しみ?

武田:楽しみはありましたけど、しんどいやろなとはおもったんですけれど。

世界チャンピオンになってはじめて感じることがたくさんあるんですね。こうして現役続行を決意した武田選手ですが、実際練習をはじめてみると・・・さあ、大変。この次のページではそのあたりを聞いてみましょう。

次のページへ→
   
 
    
前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー