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9月11日 シンクロデュエットのお二人にロングインタビューです


これからのこと

宮嶋:今回こうしてワイルドアニマルズの練習を拝見していて思ったのですが、世界選手権のパントマイムの練習をしている頃に比べると、デュエットの二人の関係が変化してきているのかなと思ったのですが、そのあたりはいかがですか。

立花:その今の練習の仕方が、それぞれ出来ないことが変わってきたんですよ。私の出来ないこと、武田の出来ないこと苦手なことって、それが浮き出てきて、今は、そういう練習の仕方を先生がしてくださっているんですね。そういう意味では世界選手権のときと練習の仕方がぜんぜん違うんですね。世界選手権のときは同じ物をやっていましたから。今は各自苦手なものを克服するためにやっています。別々の練習をしている時間が多いんですね。

宮嶋:お互いに世界チャンピオンになって、気持ちの面では変化はありますか?

立花:余裕はまったくないんですけれどね。アップアップしているんですけれど。逆に追われる立場って凄いなと。追う立場は上にものがあるのからそれを目指せばいいんですけれど、追われる立場って言うと、今はもうこれぐらいの差なんですけれど、やっぱり一度手放してしまったらなかなか戻ってこないという思いがあるものですから、どうにかレベルを上げようって言う気持ちばかりですね。

宮嶋:そうすると精神的なプレッシャーは今のほうが?

立花:もしかしたら、今のほうがあるかもしれませんね。
まあそんなに感じていないですけれど、今のほうが大変だと思いますよ。世界一になってからのほうが。なるときも大変なんですけれど、追うものがあるというのは楽。楽じゃないですけれどやり易い立場なんじゃないかなと思っています。

宮嶋:世界チャンピオンになって、今のほうが大変ということですが、メダリストになったことで、今年の4月からプロ活動ができるように水練から許可がでましたね。これは皆さんにとって大きなことですか。

立花:今のところ数回アクアドリームの方と一緒に出させてもらったというところなんですけれど、でも気持ち的にまったく違う気持ちで臨めるので楽しいは楽しいですね。

宮嶋:そこで得るものもあるということですね。

立花:あっ観客の人ってこういう風に見てらっしゃるんだというのを教えられるというか。競技のときは出てくるときから見られているからってやりますけれど、さほど気にしないですよね。あまりの緊張で気にしている暇はない。プロはそういうわけには行かないので。見せてどうするということなんで、一歩出たときから帰りぎわの手の振り方まで、教えていただく。

宮嶋:最後にもう一度伺いますが、世界チャンピオンになった時点で引退をしなかった理由を、教えていただけますか。やめてしまおうという思いは全くなかったですか。

立花:全然なかったことはないんですけれど、せっかく世界一になって、もしかしたらまだチャンスはあるかもと思ったら、やりたくなりましたね。

宮嶋:まだチャンス?

立花:そうですね。世界一を狙えるチャンスがあるわけじゃないですか。昔は世界一なんで程遠く、狙っていたけれど、実際それは夢に近かったですね。でもそれは今は手の届くところにあるから、自分たちが鍛え上げていけば狙えるところにある・・と。

宮嶋:でも実際に山の頂上には一度お立ちになったわけですよね。

立花:一度ですけどね。一度じゃちょっと実感ないじゃないですか。それを何度か重ねることで、やっぱり世界一だったんだという違う思いが出てくると思うんで。この間味わった世界一と、次に世界一になったときと。

宮嶋:それを味わうために続けようと。

立花:そうですね。最終的な決断は。

「一度じゃちょっと実感ないじゃないですか」という言葉を聞いたとき、私の背筋がぞくっといたしました。前回スピードスケートの岡崎朋美さんにインタビューしたときも感じたものと同様の衝撃。スポーツキャリアを積んではじめてわかるそのスポーツの奥深さや快感というものが存在しているのです。ああ!若くして引退するのは本当に損かもしれませんよと、現役の若い選手たちに声を大にして叫びたい気持ちです。

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