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9月11日 シンクロデュエットのお二人にロングインタビューです


「ワイルドアニマルズ」の独特の動きについて

宮嶋:シンクロの練習はものすごくきついじゃないですか、またあの練習に耐えなくちゃいけないというのはありませんでしたか?

立花:(笑い)それはありますね。それは今でもそうですけれど、

宮嶋:本当に一日に10時間以上水の中で練習を毎日していらっしゃるわけですよね。それを考えただけでも頭が下がるんですが、その辛さを克服するためにどんな思いがあるんですか。

立花:トレーニングが始まってしまえばそのトレーニングの一日の目標があるので、それをクリアーするために日々練習しているという、そんな凄い先のものを見ているのではなく、近いものから目標を置いて、やっているので。

宮嶋:前回がパントマイム、今回はワイルドアニマル。形態を模写して演じるという点では 共通したところがあるようなんですが・・

立花:でも体の使い方とか顔の表情とかもぜんぜん違うんで・・どちらかというと私は今回のライオンのほうが苦手なんですよ。だからこれを克服できたらなとおもってやっているんですけれど。

宮嶋:できることをできるようになろうという面白さですかしら。

立花:そうですね。今はぜんぜん出来ないベースにあるんですけれど、それが出来たときに、どういう感覚になるんだろうという思いですね。

宮嶋:今回はワイルドアニマルということで、人間の動きとは違う動物独自の動きを表現しなければいけないと思うんですけれど、どうも拝見していると、今までのシンクロの動きと違う感じがするんですが。

立花:そうですね、まず陸上でレッスンしていただいたんですが、そのときは何とか動かせたんですが、これが水の中に入ったら、水の抵抗と、立ち泳ぎですから、思うように身体が動かないんですよ。脚で水をかきながら、あの状態で体を躍動的に動かすというのが難しいんですよ。だからあの一曲を通すというのが難しくて、これがまた難しくて。だんだん体が固まってくるんですよ、疲れてきて。

宮嶋:あれって柔軟な動きですよね。

立花:そうですね。すぐ固まっちゃうんですよ。しんどくなって。そうすると、すぐ小手先でやろうとしてしまうんですよね。無意識的に。(笑い)

宮嶋:小手先では出来ない演技ということですね。

立花:小手先でやってしまうと今までと同じ演技になってしまうんですね。それを変えるためにこのテーマを選ばれたと思うんで。

宮嶋:動きとしてはどこから動かすんですか。

立花:からだの中心からですね。それで、水の上に出ている部分から動かすんではなく、水の中の部分から動かさないと躍動的な動きが出ない。なおかつ高さをあげていかないとその動きが余計みえないですから。

宮嶋:やっている人にすると、相当つらいんじゃないですか?

立花:つらいですね。

宮嶋:パントマイムのときは今までの中で1番つらいっておっしゃっていたのですが、今回はいかがでしょう?

立花:毎年毎年なんですよね。毎年つらくなってくるんですよね。シドニーのときはこれが精一杯と思ったんですけれど、それが世界選手権でさらにきつくなって、これも精一杯と思ったんですが、また今年伸びています。

水の中で、ジャズダンスのような自由な動きをすることはこれまでのシンクロの歴史に中にもありませんでした。新たなものに果敢にチャレンジする精神こそ、世界チャンピオンの心意気なのでしょう。さあ、この後のページでは、デュエットのふたりの距離について聞いてみましょう。

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