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立花選手が現役続行を決意した理由
宮嶋:去年世界チャンピオンになって、何か変りましたか?
立花:世間の見る目が変わりましたね。私たちがシンクロをやっているときに見てくださる見方が変わったと思います。
宮嶋:ご自分の中では何か変化はありましたか?
立花:でもね、敵と差があいているわけじゃないですから。世界選手権の段階では私たちが一番になりましたが、今の時点ではわからない状態なので、世界一というプライドは持ちつづけなければならないですけれど、それにしがみついてばかりいてもいけないので、自分のレベルを上げるようにと思っています。
宮嶋:誰もがあこがれるけれども、なかなかなれない、世界の頂点に立ったわけですよね。頂点に立って、そこでぱっと引退してしまうという考えもあったと思うのですが、どういうことをお考えになって、現役続行の決断をしたのですか。
立花:せっかくあの時点で頂点に立って、でも、すべてが一番になったわけじゃないですよね。あの時はパントマイムという構成のすばらしさがあって、あの時私たちは最高の演技が出来たので優勝できたのですが、また違った演目を出したときにどういう反応が返ってくるかという楽しみも出てきたのんですね。あの時に、少し、演じる楽しさがわかったというか。
宮嶋:今までとは違うものが世界チャンピオンになったときに感じられたということですか?
立花::ええ、やはり今までのものとは違う味のデュエットだったんで。それも後から感じたことですけれど、終わって半年経ったころ、ああいう演技が出来たんだな、じゃあ次どんな演技ができるかなと・・・
宮嶋:武田さんが、世界チャンピオンになって、続けるべきか悩んだっておっしゃっていらしたんですが、立花さんはどうだったのですか?
立花:シドニーのときほど悩まなかったんですね。多分。あのときのほうが悩んだと思います。シドニーのときは、以前にもお話しましたけれど、仲間がやめるということもあって、やめた状況の中で自分がやっていけるか、モチベーションを高く保てるかなというのがあったのでとても悩みました。でも、シドニーの後一年やってみて、武田と二人だったんですけれど、ずっとやってきて、違う楽しさ、楽しさじゃなくて苦しいんですけれど、それを楽しさといえるものが出てきたんですね。
宮嶋:それはどんなものですか?
立花:ひたすら技術ばっかりではなくて、演じることにポイントが置かれますよね。技術はもちろんなんですけれど、それに上乗せして演じるということが求められて、それが出来たときが凄くうれしかったんで。
パントマイム「小劇場」の演技で、演じる喜びを知った立花美哉さん。
さあ、この後のページは、今回のフリールーティーン「ワイルドアニマルズ」の独特の動きについてです。
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