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ブルスニキナ選手 |
ロシアチームはオリンピックの時のメンバーがほとんど引退し、残っているのはブルスニキナ選手だけ。
ブルスニキナといっておわかりになる方は真のシンクロ通ですね。
彼女はシドニーのデュエットの金メダリスト。
最後の演技の芸術点で、すべての審判が10点を出したあの「カラテ」の演技をした選手です。
ブルスニキナ選手は今回のヨーロッパカップではソロだけに出場しました。
「オリンピックで金メダルをデュエットとチームの二つで獲得したけれど、私のコレクションにはひとつ足りないものがあるの。
それが、ソロのチャンピオン。福岡ではもちろん金メダルを狙うわ。日本の立花選手一騎打ちね!」
こうインタビューに答えてくれた彼女の演技のテーマは「千夜一夜物語」
「王様に物語を語りつづけることで、一日一日を生きながらえていく様は、今の私が毎日毎日懸命ににシンクロの練習をしながら、生きていくのと重なって感じられるの。」
物語に自らのシンクロ人生を重ね合わせて演じるフリールーティーンは見事なものでした。
最初の陸上動作からブルスニキナの芸術作品が始まり、水中から脚が語りかけ、手が蝶のように舞うのです!
それは「水中のプリマ」と言うにふさわしい優雅さ、華麗さ、無駄のないバレエそのものです。
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足先まで神経を行き届かせる |
本番の競技直前まで、ブルスニキナ選手につきっきりで、指導していた小柄な年配の女性がいました。
コレオグラファーと呼ばれる振り付け師のタラソワさんです。
ロシアが誇るボリショイバレエ団出身のタラソワさんが、指の角度からあごの上げ方までを付きっきりで指示をだしていきます。
最後の一人となるまでプールに残り、炎天下の中、立ちっぱなしで指導をする63歳のタラソワさんには、頭が下がる思いでした。 |