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7月5日 本物の空手の魅力


記者席の筆者「シンクロのフランス
での人気はなかなかのもの」

この半年間、日本のシンクロ作品がどうやって作られていくのかをつぶさに見ながら、
同時にフランス国際や、ヨーロッパカップなど主要な大会を取材する機会を得ました。
そこで、つくづく感じたのは、日本のシンクロ作品が常に時代をリードし、他国から注目されているということです。

注目されて時代の最先端を行くものがあれば、皆がその流れを追おうとするのは人間の性でしょうか。日本の作品と同じようなテーマをロシアが選んでくるのが故意なのか、偶然なのかはわかりません。

シドニー五輪で、日本のチームが演じた「空手」のテーマをロシアがデュエットで使ったことには、いまだに怒る日本の関係者もいます。


何処へ行っても注目される
日本のデュエット

ロシアのデュエット作品を作ったポリャンスカヤコーチに話を聞くと、「太鼓でリズムを取るあの曲は2年程前に決まっていたが、何をテーマにするかが決まらず、本当に苦しかった。」と言っておりました。

あるロシアシンクロ関係者によれば、あの空手のテーマは日本のチームを見てから閃いたそうです。「閃いた」と言う表現は変ですね。「いただき!と思った」と言うべきでしょうか。苦し紛れだったことは十分考えられます。

ロシアのデュエットはその空手の演技でシドニー五輪金メダルを獲得したのですから、いまさら何を言っても遠吠えにしか聞こえないでしょうが、陸上での空手のポーズなど、腰が入っておらず、実に妙な振り付けでした。
ロシアにはコサックダンスのようなリズムのはっきりした伝統の動きもあるでしょうにと思わずにはいられません。独自のアイディアと力で真っ向勝負してほしいと思うのが本音です。


憧れのこのポーズ
さて、空手を演じた日本チームは結果的には銀メダルでしたが、この振り付けはさすが本場もの。各国の選手たちから憧れの目で見られていたようです。

3月に行われたフランス国際で、ちょっと素敵なシーンに出会いました。

フランスやカナダの選手たちが、あの日本の空手の陸上動作がカッコいい、是非やってみたいので教えてほしいと、日本の立花、武田のデュエットに願い出たのです。


なんと、日本のチームの空手の演技が
外国ミックスチームで演じられる??

次々に選手が集まってきて、ギリシャ、メキシコ、スペインの選手も合流。みんなで、「エイ、ヤー」とこぶしを突き出し始、ついにはみんなでこれをお客さんの前で披露しようということになったのです。

はじめは腰がふらついていた選手たちも30分ほどすると、なんとなく様になってきました。さすが、それぞれのお国のトップ選手たちだけのことはあります。この即席混成チームの演技は大会のフィナーレを飾るガーラで披露され、やんやの喝采を受けておりました。


みんなの演技もさまになってきた!

いや、スポーツは国を結ぶとは言いますが、本当にいいシーンでした。

スポーツを見て、いい気分になりたい、いやな気分が残るのだけは勘弁してほしいと思うのはわがまでしょうか。

すでに3ヶ月ほど前の出来事で、いまさらとも思ったのですが、是非皆様にご紹介したくて、今日ここに書きました。福岡で行われる世界水泳でも心温まるシーンに出会えることを期待しましょう。

 
スポーツ古今東西
 
モスクワ大会に始まり、ロス、ソウル、さらには冬の大会も経験し、シドニー大会がなんとオリンピック取材10回目になる宮嶋泰子アナウンサー。取材ではその選手の持っている「根」を掘り起こそうと歳甲斐もなく?大声を張り上げて走り回り、スポーツを縦から見たり横から見たりと大忙し!他とは一味違うスポーツ企画をこのコーナーでぜひお楽しみください。
 
 
    
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