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5月10日 キャリアウーマンもトップアスリートも抱える悩みは同じ?
第一回アジア女性スポーツ会議が大阪で開催!

「女の子なんだから、もっとおしとやかにしていなさい!」
「サッカーなんて男の子が熱中するものでしょう。女の子がこんなに泥だらけになって!」
こんなお母さんたちの小言は現代でもまだ聞こえてきそうですね。

スポーツは男のものという考え方はまだどこか私たちの心の隅に残ってはいないでしょうか。

オリンピックに女子が参加するようになって去年はちょうど100年目でした。
かつてクーベルタン男爵でさえ、「女性の役割は、男性の勝者に冠を授けることだ」と言って、女性がスポーツをすることに反対でした。去年のあのシドニーの女子選手たちの活躍に男爵は草葉の陰で唖然呆然としていたに違いありません。

私がスポーツを見てきたのはわずかこの25年間にすぎないのですが、女子選手を取り巻く環境はめまぐるしく変化してきました。
それはまさに社会の中で女性の役割が変わってきたのとほぼ同時進行だったように思います。

1980年、初めて私がプロ野球のニュースを読んだときのことです。それまでスポーツニュースを担当する女性アナウンサーは皆無でした。

「今日の江川のピッチングは冴えに冴えていました・・・・」と普通どおりに原稿を読んだのですが、とにかく大変な投書と、抗議電話????

「女が野球選手の名前を呼び捨てにするとは何事か!ちゃんと**さんと言え!」

ええっ?
「マウンドに立った江川さんのピッチングは・・・・バッターボックスの中畑さん打ちました・・」って言えって言うわけ?
とにかく意味不明なおじ様たちからの抗議にスタッフ一同頭を抱えていたのを覚えております。今はと言えば、野球のニュースを伝えているのはほとんど女性ですよね!

しかし、こうした出来事も笑い事で済まされない地域がいまだにあるのです。

シドニー五輪でも、「15歳の現在はスポーツをしてもいいけれど、もうすぐ大人の女性になったらやれなくなってしまう」と嘆くイスラム圏の水泳選手に出会いました。

「私は父が競技者だったので、特別です。回教のこの地域では私以外の女性はスポーツをすることはありません。」という選手もいました。
バーミヤン大石仏を破壊したタリバンは、今度は女性たちに全身黒いベールを着ることを強要し、もちろんスポーツをするチャンスを全くといっていいほど奪っています。

日本にいると、少女から80歳を超えるおばあちゃんまで、女性がスポーツで汗を流すことはごくあたりまえのことのように思われるのですが、アジアの諸国の中にはまだまだそんなことを考えることすら許されない人々がいるのです。

そこで、アジアの中の女性スポーツのあり方を考えてみようという、第一回アジア女性スポーツ会議が6月の9日、10日に大阪で開催されます。
今回のこの会議は男性の方もたくさん参加され、女性と男性が互いに尊重しあい協力し合いながら、よりよいスポーツ環境を模索していこうというものです。

私自身「女性、女性、女!」と鼻息荒く叫ぶことはあまり好きではありません。
しかし、ちょっと女性の立場になって考えてみるとずいぶんと理不尽なことがあるものなのですね。仕事をしている女性が抱えている悩みとトップアスリートが抱えている悩みは意外と共通しているかもしれません。この際、さまざまな角度から勉強してみようと思っています。

実は、不肖宮嶋、10日のパネルディスカッションに参加いたします。
ソウル五輪水泳の金メダリスト、鈴木大地さん、サッカーの長谷川健太さん、フィギュアスケートの八木沼純子さん、テコンドーの岡本依子さん、医学博士の福田千晶さんとともに、過去の歴史を踏まえながら、これからのスポーツがどのように発展していくべきかを探っていきます。

 

興味のある方はぜひ、会場にお越しください。大阪市天王寺の大阪国際交流センターです。

「スポーツをじっくり見ていると社会が見えてくる。」と常々思っている私といたしましては、この機会に是非、スポーツを通じて社会をみつていただければと思う次第です。
スポーツ好きの方も、普段オフィスで鬱々としている方もちょっと立ち止まって考えてみるきっかけをご一緒に作りませんか?

詳しくはこちら「第一回アジア女性スポーツ会議HP」をご覧ください。
参加申し込みもできます。
http://www.jws.or.jp/aj/

 
スポーツ古今東西
 
モスクワ大会に始まり、ロス、ソウル、さらには冬の大会も経験し、シドニー大会がなんとオリンピック取材10回目になる宮嶋泰子アナウンサー。取材ではその選手の持っている「根」を掘り起こそうと歳甲斐もなく?大声を張り上げて走り回り、スポーツを縦から見たり横から見たりと大忙し!他とは一味違うスポーツ企画をこのコーナーでぜひお楽しみください。
 
 
    
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