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8月8日 日本経済に関する一考察

さて突然ですが、日本経済に関して最近感じることについて記します。
いわゆるアメリカでのサブプライムローン問題と原油高に端に発し、
今、日本経済も明らかに大きな転換期に入っています。
私は「やじうまプラス」のHPの中で、去年7月、
2007年11月地価ピーク説と記しました。
バブルとその後の崩壊を社会人として経験していない私にとって、
初めての迎える本格的な地価上昇局面がどこまで続き、
そして様に終焉を迎えるのか、非常に興味を持っていて、
昨年上半期、港区の高層マンションが新築時の五割増で成約していく状況に、
「これは頂点が近いかな?」と実感していました。
事実、地価の値上がりチャートは、あのバブル景気崩壊直前によく似ていました。
福田改造内閣の与謝野馨経済財政担当が8月に入って、
それまでの「踊り場」から「日本経済は後退局面に入った」と、
景気の見方を下方修正しましたが、
不動産ファンドのプロである大学の先輩は、
「去年夏をピークに、3年掛けて上がったものがわずか1年で下がった」と、
まさに坂道を転がり落ちように下落した地価を嘆いていました。
去年11月当局によるファイナンス介入(貸出規制)が決定的だったそうです。
政府の判断を待つまでもなく、2007年中に上昇局面は終わっていたんですね。


最寄り駅近くの一等地。
地価が下がると空き地が増えるんですね。

でも地価が上昇しているときには、まだまだ上がるから早く買わなきゃ、
と思うのが人の心理。
ある億ション中心のショールームを冷やかしで見に行った際に、担当者が
「ご両親に借金してでも今買わないと!というサラリーマンの方多いですよ。
これから出てくるマンションはもっと高いですからね」
と言っていたのを良く覚えています。
しかし、これがひとたび下落を始めると、人はすぐに財布の紐を締め始めます。
もっと下がるかもしれない。今買ったら損するかも・・・と。
前出の先輩はこう話します。
『土地の売買はブームに乗ってはだめ。
物件の適正価格を長期的視野で見ないと。
バブル崩壊後、客観的に見ていた外資が割安な日本の土地を買い漁った様に、
これからホントの買い時が来るよ』

先週訪れた沖縄では、新都心と呼ばれるおもろまちやアメリカンビレッジと呼ばれる北谷周辺を中心として、大規模なマンション開発が未だ続いていました。
第二の人生を沖縄でという団塊の世代を目当てにしているからです。
中には、内湾を埋め立て建設しており、その販売予定価格は港区の築浅マンション並みというものもあります。相当強気です。
でもご存知でしたか?
年間2万人強が沖縄に住民票を移すブームの裏で、地元の人と馴染めず、同数に近い方が沖縄を去っていることを。
沖縄北部東村で宿泊した時、民宿の方は
『一ヶ月に一度ぐらい全員参加の地元行事がある。都会の人には厳しいのでは?』と話していました。
東京の家を売ったお金で沖縄移住。よほどの決意がないと、
残るのは売るに売れない沖縄のマンションだけということになりかねません。

何事も腰を据えて考える。長期的視野が一番大事。
美しい沖縄の海を見ながら、改めてそう感じさせられた夏休みでした。

   
 
    
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