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9月17日   ワワールドプロレスリング実況三銃士の闘魂コラム#49
〜ジェラシー〜

棚橋弘至と中邑真輔がメキシコに遠征に行っている
その影でひっそりと報道されたある記事があった。
「山本尚史、ボクシングのプロテスト挑戦」
レスラーがボクシングのプロテストを受けるのは前代未聞である。
新日本に入る前、高校時代にボクシングジムに通っていたとはいえ
あまりにも唐突に思えた。
その前に山本尚史がどんなレスラーなのか説明しておかなければならない。
レスリング、ボクシング、フリースタイル柔術、シュートボクシングなど
数多くの格闘技を経験し2002年3月に新日本に入門。
2002年10月にデビュー、12月に初勝利。
と、ここまでは順調に来ているようにも見える。
だが実際はまったくの逆だ。
レスラーとして伸び悩み、最近では後輩にも負ける始末。
同期の中邑真輔とは天と地ほどの差をつけられてしまった。


きっと「だからこそ」のボクシングプロテスト挑戦なのだろう。
「焦りがないといったらウソになる」
「ボクシングがひとつの武器になればいい」
そう語る山本は「ジェラシー」の塊だ。
中邑がまぶしく見えているに違いない。
負けの言い訳に「自分はそれでもオンリーワン」と
開き直れない厳しい現実がそこにはある。
しかし、それでいい、と思う。悔しい思いをしたからこそ
喜びがある。そこにファンは思いを重ねるのだ。

   
 
    
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