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中学3年生の男子生徒が、給食時間中に早食い競争をして、パンをのどに詰まらせ、亡くなりました。
このところ、特にここ1年は「大食いバブル」ともいわれる異常な状況でした。
バラエティ・ドラマなど、テレビ番組が次々に登場し、イベントなどでの賞金もどんどん高額になりました。
その戦いを制した「フードファイター」などと呼ばれる、早食い、大食い選手たちは、ルックスもよく、スマートで、「おっかけ」がいるくらいの、まさにアイドル的存在となりました。
ただこの大食いブームを、最近のブームという形だけで片付けるわけには、どうやらいかないようです。
これほどまでに過熱した背景について、日本大食い協会会長の岸義行さんは、大食い・早食いは、フードバトル、フードファイト、スピードイーティングなどと呼ばれ、今では、競技、あるいは一種のスポーツとしてとらえられているが、これは今に始まったことではない、という。
現在は、「第3次大食いブーム」と呼ばれているそうですが、こういったブームとは別に、振り返ってみれば、「わんこそば競争」や、「ギョウザ早食い競争」などなど、ずいぶん昔から、日本各地に早食いや大食いを競い合うイベントなどがありました。
最近でも、4、5人分はありそうなラーメンやカレーを完食すれば、無料(タダ)になったり、賞金をもらえたりするお店もあります。
そうした「日本大食い文化」を象徴しているともいえるのが、アメリカ・ニューヨークで毎年7月4日(独立記念日)に開催される「ホットドッグ・コンテスト」です。
これは、12分間に何本のホットドッグを食べられるかを競うものですが、2000年には、日本人選手が1、2、3位を独占し、2001年も日本人選手が優勝しました。
これ以前でも、日本人選手の活躍が特に目立っています。
この点について、岸さんは「選手を比較すれば、日本人選手はプロで、他の国の選手はアマだといえるくらいに差がある」という。
体の大小とは別に、大食いの技術でいえば、「日本はトップクラス」なんだそうです。
ただ、常軌を逸するような大食いができるのは、「満腹中枢がマヒしているからだ」という医者もいます。
今回の事故を受けて、「早食いと、大食いは違う」あるいは「健全な大食いを勧めたい」という声もありますが、そもそも「健全な大食い」というのが存在するのか、という点から考えていく必要がありそうです。
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