ことばのアレコレ

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  • MAKIKO KATO

2019/10/31娘が発した言葉

私の娘も2歳を過ぎ
少しずつ言葉を話しはじめました。

先日、ふとした瞬間に発した言葉に
ドキッとしました。

「やばい」

親が話す言葉やテレビで覚えたのでしょうか。
正直、2歳の子が使うには
「まだ早いな」と思ってしまいました。

非常にくだけた表現ですが
皆さんも何気なく使っていませんか。

私自身も無意識に使っていて
これまで、ちゃんと意味を調べたことがありませんでした。
そのため、もし子供に「やばい」について聞かれても
どんな言葉なのか答えることが出来なかったと思います。

この機会に調べてみることにしました。
そもそも辞書に載っているのでしょうか。

結論から言いますと
「やばい」は広辞苑に載っていました。

まず、「やばい」という言葉は
「やば」という名詞を形容詞にしたもので、
広辞苑によると

【やば】
① 不都合なこと。けしからぬこと。奇怪なこと。
② 危険なさまにいう隠語

となっています。

この「やば」は江戸時代の
十返舎一九『東海道中膝栗毛』、
歌舞伎などに
使用されている例があるそうです。

さらに、本題の「やばい」を見てみます。
ここで、興味深いことがわかりました。

広辞苑は2018年、
10年ぶりに改訂されたのですが
改定前と改定後では「やばい」の意味が増えていたのです。

改訂前の第六版では、

【やば・い】
不都合である。危険である。「―・い事になる」

でした。名詞「やば」の意味を受けただけの形になっています。
ところが、改定後の第七版では

【やば・い】
① 不都合である。危険である。「―・い事になる」
② のめり込みそうである。「この曲はくせになって―・い」

改定後は「のめりこみそう」という
新たな意味が加えられています。

今回調べてみて
2つのことがわかりました。

まず、「やばい」のもとになった「やば」という言葉は
江戸時代には使われていた言葉であること。

そして、「やばい」という言葉は
時代とともに意味が広がり
新たな意味は最新版の広辞苑に記載されたということ。

言葉は生きてるんですね。

もちろん、意味は変化したところで
くだけた表現ということに変わりはありませんので
使う場所や相手は選ばなくてはいけないと思います。

何気なく使っていた言葉。
娘が言葉を話すようなり
その意味や使い方を教える立場になったことで
言葉にもっともっと敏感でなくてはと思った出来事でした。


2歳になり水を怖がらなくなりました!

担当アナウンサー