ことばのアレコレ

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  • AYAKA OGAWA

2019/1/17「オトナってなんだ?」

先日は成人の日でしたね。
総務省の統計によると、今年の新成人は125万人。
ひとつ、大人の階段を登った新成人の皆さん、おめでとうございます!

成人の日にいつも思うのですが、
大人ってなんなのでしょうね。
私が成人したのはもう13年も前になりますが、
あの日から私はちゃんと「大人」になれているのか。
穴の開いた靴下を平気で履き、
細かいことにくよくよし、
寒い朝布団からなかなか抜けられず、
次の日に備えて寝なければならない夜も
ついぐだぐだと夜更かしをしてしまう自分を
情けなくなるたびに「大人って何?」と、
自問自答してしまいますが…

そんな疑問をひも解く言葉の一つに、
「大人しい」という言葉があります。

広辞苑で引くと、「大人しい」は…
① 大人びている。
② 年長者らしい。重だったさまである。
③ おちついて穏やかである。従順である。
④ けばけばしくなく、すなおで落ち着いている。

「オトナらしい」が転じて「大人しい」ともなったこの形容詞、
なぜこんな意味なのか。

辻川牧子氏著『日本のしきたり 和のこころ』(ロングセラーズ)には、
このような記述があります。
平安時代の皇族男子たちについて書かれた記録によると、
成人と認められる基準のひとつに、
9歳で大乗経を読み、10歳で論語、漢書などを学び、12歳では晴御会で笛を吹き、
観音経などを読めるという、「教養」を身に着けているかということがあったようです。
こうした教養を、すでに7、8歳で身に着けていると
よくものを知っている、という意味で「大人しい」と形容されたんですって。

年齢的には子供でも、物事を察して「気難しくない状態」になっていると
みなされたということです。

つまり、大人とは、
「物事をよく知っていて、
じたばたせず、穏やかである」
ということでしょうか。

だとしたら、やっぱり私は大人になり切れていない…。
精進します。

ともあれ、新成人の皆さん、
おめでとうございます!

担当アナウンサー