世界の車窓から

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モロッコ編 撮影日記

下調べの成果1
百聞は一見にしかず
ロケスケジュール。それは、出発前に練りに練って作り込み、1ヶ月分の予定と列車の時刻表など、ロケに必須の車窓スタッフの汗と涙の結晶。いつも予定を練っては、ディレクターを見送るというAD業務だったが、今回初めて自分の作ったスケジュールで実際にロケに行く機会を得た。机上のシミュレーションでは、完璧。特に力を入れていたのが「列車の走り」だ。色んな風景の「走り」を撮れる様に、スケジュールにはびっしりと書き込んでいたし、現場での時間管理は特に気にしていた。そのため多くの「走り」を撮影することが出来たが、現場で色々と気づいたこともある。
一つは、ロケーションの重要性。いい「走り」は、「世界の車窓から」では、何よりも大事。しかし、そのためには場所選びが本当に重要だ。風景だけでなく、動物や人、天気、様々な要素が合わさってベストな映像となる。それを併せ持つ場所を探し出すのは至難の業。先輩たちには何度も聞かされてはいたが、改めてこのロケーション選びの難しさを思い知らされた。
そして、もう一つ。いい「走り」を撮影するためには時間がかかること。余裕を持って行動しようにも、ギリギリまで色んなものを撮影したいのがテレビマンの性。そのため、「走り」の撮影ポイントに到着するのが、どうしてもギリギリになっていた。前述のように、いいポイントを探すためには、もっと吟味する時間を生み出さなければならなかったと思う。実際、慌てて撮影を終えた後、「あの丘に登ったら、列車が俯瞰出来て最高だったのに」ということもあり、悔しい思いもした。
現場に出てみると、想定外のことが起こり、全てがスケジュール通りにいくという訳ではなかった。そこで求められるのは、優先順位をつける判断力と決断力。もちろん、練りに練った下調べのおかげで、水辺での走り撮影は大成功し、ハプニングによる予定の振替もスムーズに行えた。この貴重な経験を日々の業務に還元し、次回の旅にも絶対に生かそうと強く誓い、ロケは終わりに近づいて行く。
アシスタント・ディレクター 白石 竜太
下調べの成果2
現場で探しあてたロケーション