世界の車窓から

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インドネシア編 撮影日記

素足で線路の上を歩く少年たち
ジャワ島初体験
今回撮影を行った時期は、インドネシアの雨季真っ只中。不安に駆られながら現地に赴くと、スマトラ島出身のコーディネーターが「マイニチアメフッテルヨ~」と、カタコトの日本語で爽やかに答えてくれた。ちょっと不安な幕開け・・・
インドネシアの旅は、第2の都市スラバヤから始まった。“食べ物と水には十分注意するように”と、出発前釘を刺されてやって来たが、ロケ初日の昼食は屋台メシ。ミーゴレンというインドネシア風焼きそばだった。日本のインスタント焼きそばの様なものだったが、学生時代毎日のように食べていた濃い味付けと体に悪そうな調味料の塩梅が堪らなく美味かった。私は一瞬にしてこの国の食べ物の虜になり、腹痛に襲われることは一度も無かった。どうやら胃が丈夫にできているらしい。そして、もう一つ感動したのは、インドネシアの人達が見せる爽やかな笑顔だった。若干人相が悪めだと自負する私とカメラマン2人が視線を向けても、誰一人嫌な顔することなく優しい微笑みが返ってきた。番組中は、何としても私が感じたこの親近感を伝えたく、なるべく柔らかい表情を多く取り入れようにしている。
車窓のロケでは、映像と同時に写真も撮る。言葉が通じないもの同士、距離を縮めるのに、デジカメはとても便利なツールになった。 つたない英語で写真を撮って良いか尋ね、液晶に表示された画像を見せれば、たちまち打ち解けることができた。素足で線路を掛ける少年たちとも、このデジカメ作戦を駆使して良い関係が築けたと思う。
飾らない素朴な魅力に取りつかれた我々撮影隊は、更にディープな街へと進んでいった。
ディレクター 二田 靖章
マランへ向かう列車で出会った家族
スラバヤ・グブン駅始発の列車