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1月6日 映画『ピノッキオ』をご紹介!

 
映画『ピノッキオ』・・・・・イツノマニカ置いてきてしまったものが、そこに・・・

ロベルト・ベニーニって、只者じゃないですね。(って私がいうのもなんですが…^^;)
完璧に、ピノッキオでした。しかも、パンフレットに書いてある彼の言葉。
『これは私にとって”神様の贈り物”です。そう思って”自分の体”で演じたかったのです』と。
誇張でも、宣伝でもなく、彼が本当にそう思った、というのが映画を見てもとてもよく伝わってきました。

大人になったことを、少しばかり後悔した。

舞台はイタリア・トスカーナ。
一本の丸太から生まれた「ピノッキオ」。いたずら好きのわんぱくものの人形が成長をしていくこの物語は、誕生から120年が経つ。
小さいとき、誰しも一度はこう言われたことがあるはずだ。
「ウソをつくと鼻がのびてピノッキオみたいになりますよ!」と。
だから、「ウソをついてはいけない」というお話だと思っていたのだ。
しかし。

映画「ピノッキオ」は、かなり原作に忠実に作られている。話の流れすら知っているというのに、どんどん惹き込まれていってしまう。
ピノッキオが、ありのままの「人間」の姿だからなのかもしれない。
いろんな失敗もするし、誘惑にだって簡単に負けてしまう。でも、愛する人のために力を尽くす。色んな経験や気持ちがピノッキオを成長させていく。
物語は、「ウソをついてはいけない」ということを伝えたいのではなく、生きる情熱や喜びを伝える上で、「ウソ」はつくべきでないことも教えているのだ。

子供だったら、ピノッキオの冒険や気ままさに憧れたり、共感したりするだろう。
でも、大人になった私は、胸の奥が痛いのだ。
ピノッキオが、あまりにも無防備で、感情が剥き出しで、無垢だから。
裏切られることや傷つくことに、正面から向かい合っているから。

イツノマニカ、置いてきてしまったものが、そこにある。
イツノマニカ、重装備になってしまったのか。

大人になった私たちは、ピノッキオの冒険にわくわくしながらも、ピノッキオのようにはもう戻れない自分を、時の流れを、悲しい哉感じてしまう。

もしかしたら、「こうしてはいけない」「こうあるべきだ」「常識」…。大人といわれるそんな心の限界こそが、ピノッキオから一番遠いことなのかもしれない。

ここで、一つの事実を。
ピノッキオ演じるロベルト・ベニーニは、50歳。
でもその姿は、愛らしくて、憎たらしくて、人形のようにコミカルで、はっとするほど、ピノッキオだ。

振り返って、私は?そして、あなたは?

■作品データ/『ピノッキオ』
監督:ロベルト・ベニーニ
脚本:ロベルト・ベニーニ、ヴィンチェンツォ・チェラーミ
撮影:ダンテ・スピノッティ
出演:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、カルロ・ジュフレ、ミーノ・ベッレイ、ペッペ・バーラ、キム・ロッシ・スチュアート、フランコ・イァヴァローネ、他
配給:配給:アスミック・エース/2002年/イタリア・アメリカ/171分

※全国松竹系で3月21日からロードショー

■『ピノッキオ』公式サイト
http://www.love-italy.net/pinocchio/contents.html

野村アナが語る近況
「現在の生活はというと、『voice3』一色の生活。練習あるのみ。舞台まであとわずかになり、焦りとともに、原稿に向かい合いました^^
作品は壇一雄の「光る道」。ちなみに役どころは、姫。サブリとのダブルキャストです」

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