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4月22日 『メイド・イン・マンハッタン』をご紹介!

 
例えば、渋谷のスクランブル交差点に立ってみる。 
右から左から… 
前から後ろから… 
あふれては消えていく人の波。 

毎日どれくらいの人に出会っているのだろう。 
多くの人とすれ違っているのに、まるで記号のようだ。 
「人」という記号。 
だからすれ違ったとしても、 
ちょっとはにかんだ口元が印象的な20代女性(うーん、好みだ!)とか、 
頭の薄い疲れているように見える50代の男性(薬指には指輪が!)とか、 
そんなことはいちいち見たり考えたりはしないのだ。 
「人」「人」「人」… 流れて消え行く人の波。 
私だって、その一人。 

特に「制服」を着ると、「個人」はなおさら見えなくなる。 
「制服」に語られてしまう「人」の姿。 
警察官、受付嬢、ウェイター…、そしてメイドも。 

『メイド・イン・マンハッタン』 
マンハッタンの高級ホテルにメイドとして働く、シングルマザーのマリサ。 
未来の大統領候補と目される上院議員候補のクリスとマリサは、偶然にスイート 
ルームで出会ってしまう。マリサに夢中になっているクリスは、知らないのだ。 
マリサがメイドだということを。 
身分違いの恋。 
実るはずのない恋。 
二人のこらえきれない視線だけが交差する。切ない。 

ウソが長く続くはずもなく、マリサはホテルをクビになる。 
追いかけるクリスに、マリサはこういい放つのだ。 
「メイドだったら恋に落ちなかったでしょう?最初に会ったとき、 
気付きもしなかったじゃない!」 
戸惑うクリス。違うと言えない現実。 
白人じゃない。 
お金持ちじゃない。 
ステイタスもない。 

でも、 
私は、スパニッシュ。 
私は、シングルマザー。 
私は、私。 
そう自分をつかむマリサの姿は、潔い。 

そう。私は、私なのだ。 
お金やステイタスといった「そんなもの」に人生を振り回されてがんじがらめに 
されてしまう前に、見つけるべきものは「気持ち」。 

次から次へと押し寄せる、記号でしかない「人」の波。 
その中で、かけがえのない「個人」を見つけてしまったら。足りなかったパズルの 
最後の1ピースを見つけてしまったら。 
そうしたら、走るしかないでしょう? 

恋の強さが、心の中の情熱が、見ているこちらにまで伝染してくる。 
恋することに正直になる映画です。 
映画館を出たあなたを飲み込む人の波。その中で、「かけがえのない自分」を感じ、 
誰かにとってのかけがえのない自分でありたい、と強く思う。 
気持ちを分かち合うために、あなたの向かう先は、彼のところ?女友達のところ? 

ちなみに私の向かった先は、会社でした。だって…試写なんだもの(ぐっすん)。

■作品データ/『メイド・イン・マンハッタン』
監督:ウェイン・ワン
脚本:ケビン・ウェイド
撮影監督:カール・ウォルター・リンデンローブ
プロダクション・デザイン:ジェーン・マスキー
音楽:アラン・シルベストリ
出演:ジェニファー・ロペス、レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、 スタンリー・トゥッチ、ボブ・ホスキンス、他 
配給:UIP/2002年/アメリカ/95分

※5月上旬、日比谷映画ほか全国ロードショー

■『メイド・イン・マンハッタン』公式サイト
http://www.uipjapan.com/manhattan/index.htm

野村アナの近況
近況は…最近椅子ばかり見ています。 雑誌を見て、名作椅子、お手軽椅子、 
見ているだけで和みます。 そのうちお気に入りの一脚を買いたい!! 

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