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2月4日 がん体験者の登山
今、日本人の男性二人に1人、女性は三人に1人が癌になるといわれている時代です。
現代は癌とともに生きる時代とも言われています。そんな中、ある試みをしている人々をご紹介しましょう。
これは2007年9月に報道ステーションで放送した企画です。
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真夏のうだるような暑さから逃れ、上高地にやってくると、そこには登山支度をした老若男女でにぎわっています。そしてそんな中に、ある一団を見つけました。
宮嶋:
「登山客でにぎわっている上高地です。これから奥穂高に登ろうとしているこちらの女性のグループは実はある体験をしている方ばかりです。」
ブルーのキャップをかぶり、ゆっくり準備体操をしている40人ほどの女性ばかりのグループ。
川島さん:
「乳がんがわかりまして、」
山中さん:
「両方に乳がんがあるということで」
メリーアン:
「乳がんになって21年、骨と肺に転移して12年です。」
フロント・ランナーズ・クライミング・クラブ
がんを体験した女性たち23人とサポーターあわせて40人、FRCCのメンバーは
今年、日本で3番目に高い奥穂高岳を目指しました。
率いているのは日本を代表する女性アルピニスト橋本しおりさん。
8000m級の山に初めて女性だけで登頂したことでも知られています。
ガッシャープルム2峰(8035m)隊長として登頂
女性だけでの成功は世界初
東京女子医大神経内科の准教授でもある橋本さんは、これまでの調査から、登山ががん体験者のQOL生活の質を向上させることを突き止めてきました。
東京女子医大准教授 橋本しをりさん
橋本さん:
「癌の患者さんが運動をする?山登りなんて激しいことができるのって?大半の人の反応なんですけれど。実際はいろんな山の登り方があるわけです。結果として、体の身体症状、精神症状、そのほかの心肺で改善が見られるということが明らかになっています。」
がんになった後、生活をがらりと変えたというのが佐伯恵美子さんです。
現在55歳の佐伯さんが乳がんになったのは、12年前の43歳のとき。
さらに48歳の時に甲状腺がんをわずらいました。
最後の手術から7年間、毎日ウォーキングを行い、月に一度の低山登山に備えます。
自らの存在意義を確認するかのように、子供に英語を教える仕事もはじめました。
「退院できないかもしれない、家に帰れないかもしれないと思ったときに、自分がどれだけの人間だったのか、家族に、ああいうこと、がんばっていたよねと覚えていてほしかったなというのがきっかけでチャレンジし始めました。」
夫:
「もともと運動するような妻じゃなかったんですが、それがやり始めて、続きましたんで、こりゃ本物かいなと」
息子:
「次々にアクションを起こして」
娘:
「表情とかも明るいし、以前より今のほうが元気なのは間違いないと思います。」
家族のために始めた登山は思わぬ効果を生み出しました。
佐伯さん:
「自信になるんですよね、ここで登れた、歩けたっていうのがあると、普段の生活も元気になるし。」
柴田さん:
「検査データの数値がよくなってきたのよね、あなたもね。」
佐伯さん:
「私も12年目の方はまったく問題なくクリアーできて、お医者さんに行かないでよくなったんです」
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